第14回 商品容器も商標に! 立体商標の取得戦略

【週刊粧業2016年9月19日号6面にて掲載】

 少し前になりますが、コーセーが台湾で「薬用雪肌精」の容器についての立体商標登録を取得したというニュースが話題になりました。同社は日本においても立体商標登録を有していますが、実は台湾で立体商標を取得できたことに大きな意味があるんです。

 今回は、この事例を紹介しながら、立体商標の概要と取得戦略についてお話しいたします。

 そもそも立体商標制度とは、文字通り立体物の商標登録を可能にする制度です。代表的なものとしては、不二家のペコちゃん人形やケンタッキーフライドチキン社のカーネルサンダース像などがあります。実は、商品または商品の容器も立体商標として登録することができ、コカコーラの瓶やヤクルトの容器などが実際に登録になっています。

 以下では、化粧品・日用品業界の皆様にとって関心があるであろう商品容器を登録するケースのポイントをお伝えします。

 そもそも立体商標であっても商標であることには変わらないので、識別力の有無(自社商品と他社商品を区別することができるかどうか)と、先行商標の有無が審査されるのは普通の商標と同じです。そして、通常は容器の形だけで特定の企業だとわかってもらうのは難しいので、無地の容器で商標権を取得するのは極めて困難です。

 その上で、商品容器について立体商標登録を受けるには大別して3つの方法があります。

 1つ目は、ゴルチエの香水瓶などのように無地の容器を登録するパターンです。ただし、この場合には需要者のほとんどがその容器だけを見てどの会社の商品かわかるくらいの周知性が必要となりますので、きわめてハードルは高いです。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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