コーセーは、コメ由来の成分を配合した新スキンケアシリーズ「肌極(はだきわみ)」の販売を2012年11月16日より開始している。
20代・30代女性の多くが肌のゆらぎを実感していたため、さらに研究を進めたところ、その悩みの解決には、8年前に導入し発売3カ月で40万本以上を売り上げた「モイスチュアスキンリペア」の主成分である「ライスパワー№11」が最も効果を発揮するということを突き止め、再びスポットを浴びせた。
そこで今回は、「ライスパワー№11」の研究開発に携わった尾之上聡氏(コーセー研究所開発研究室薬剤開発グループ)、「モイスチュアスキンリペア」「肌極」の商品開発を担当した佐藤みどり氏(商品開発部スキンケア・ヘアケア開発課)、「肌極」のマーケティングを指揮する立澤彰啓氏(コンシューマーブランド事業部企画部企画2課)の3氏に、肌極の開発背景やマーケティング戦略などについて話を伺った。
後から使うアイテムの邪魔をしない特徴から
“ブースター美容液の元祖”とのクチコミも
――2004年にライスパワー№11を配合した初の美容液「モイスチュアスキンリペア」が発売されました。商品特徴、ターゲット、現在までの評価などについて教えてください。
佐藤 2001年に医薬部外品の認可が下りたのですが、製剤の安定化と使用感のよさのバランスを取るのに非常に時間がかかりまして、3年後の2004年にやっと製品化にこぎつけました。
当時、「モイスチュアスキンリペア」を製品化するにあたっては、1つこだわりがありました。
これまでの保湿美容液は、「肌に潤いを与えてしっとりさせる」という感触が主流でしたので、全く違う感触にしてしまった方がきっとインパクトがあり、かつ共感が得られるのではないかと考えました。そして、「水分保持能の改善」を謳う美容液の特徴を際立たせるには、「スーッと肌に入り、しっとりしないのになぜか肌自身が変わっていく」というテクスチャーを目指そうとの結論に至りました。
また、「モイスチュアスキンリペア」は、現在お使いの化粧水、乳液の前にプラス使用してもらうことを狙って設計しましたので、後から使うアイテムの感触を邪魔しないといった特徴があります。
さらに、洗顔後いちばん初めになじませ、その後はいつもと同じスキンケアなのに高い肌効果があるという商品特徴から、いつの間にか大手クチコミサイトでは「ブースター美容液の元祖」というクチコミがされるようになりました。
決してブースターのつもりでつくった訳ではなく、「水分保持能の改善」を目指してつくったのですが、さっぱりした使用感ながら肌が変わるということで発売以来、リピート率が高く、ロイヤルユーザーに支えられて今日に至っています。
――肌極の商品特徴、ターゲットについて教えてください。
佐藤 「モイスチュアスキンリペア」は、プラスワンのスペシャル美容液というポジションから全年代の女性をターゲットにしており、実際に幅広い年代の方々に使用されています。
一方、今回の肌極は、仕事も遊びも忙しく、さらにストレスや寝不足等によって肌のゆらぎを実感している20代後半から30代前半の女性をメインターゲットに設定しています。
彼女たちの多くは、季節の変化や生活リズムの乱れによる肌トラブルはもちろん、「何となく肌の調子が悪い」「Tゾーンはベタつくのに頬は乾燥する」といった肌トラブルにも悩まされています。それらの肌トラブルを解決する成分として、皮膚のコンディションを改善する「ライスパワー№11」に再度着目しました。
実際に「ライスパワー№11」を配合した化粧品の使用テストを行ったところ、予想したとおり、ベタつきも乾燥も症状が改善してニュートラルな肌になることがデータでも実証されました。
「簡便性」「使用感」の両立めざし
2ステップのシンプルスキンケアを提唱
――肌極では、2ステップシステムを導入しました。その背景について教えてください。
立澤 商品化にあたりターゲットとする20代、30代女性の嗜好性を捉えるべく、グループインタビューを実施しました。
その結果をみると、シンプルステップ(時短)への意向は強かったものの、1品使いではなかなかキレイになれないという感覚を持っていることがわかりました。
中でも「化粧液、化粧水で与えた水分を蒸発させないためにも最低あと一品は必要」という意見が少なからずあり、こうした意見を踏まえ、できるだけシンプルにしつつ、きちんと効果実感が得られるものを突き詰めました。その結果が、洗顔後の2ステップ(Step1=美容液、Step2=化粧液)だけで、うるおう肌づくりを完了することができる今回の設計でした。
尾之上 「水分保持能の改善」という観点でみれば美容液1品で十分と思います。ただ、浸透のよさを徹底して目指していますので、使用後の充実感といったところで物足りなさは否めません。
化粧液(ジェル)と併用することで使用実感が得られるように設計していますので、両方お使いいただくことをお勧めしています。
立澤 先ほどのグループインタビューの意見をまとめますと、1品だけではキレイになれないといった潜在的な思いがありますので、さらりとした使用感で吸い込まれるようになじむ美容液と、肌の上から膜を形成するような化粧液の2ステップは最低でも必要だと考えています。そういう意味で「肌極」は、簡便ニーズとお手入れニーズを両立したスキンケアシリーズと言えます。
あと、化粧液については、肌質や季節の変化に対応するべく、コクがありながら、みずみずしい感触で肌になじみ、しっとりとしたあと肌に仕上げる「化粧液」と、はじけるようなリッチな感触で肌になじみ、もっちりしたハリのある肌に仕上げる「化粧液(ジェル)」の2品をラインナップしています。
――「モイスチュアスキンリペア」と「肌極」の美容液の違いは具体的にどういったところですか。
佐藤 肌極は、ターゲットである20代、30代の女性に好まれるように設計していますが、基本的には、モイスチュアスキンリペアの肌効果や使用感を踏襲しています。今までモイスチュアスキンリペアを使用されていた方が肌極に置き換えていただいても全く問題なく使用していただけます。
モイスチュアスキンリペアは効能を特化させたスペシャル美容液としての仕込みでしたから、香りについても薬効感を重視していました。一方、肌極は、ストレスを抱える20代、30代向けに設計された商品ですので、リラックス効果のあるグリーンティーの香りをより際立たせています。
この記事は週刊粧業 掲載
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