オルビス、阿部嘉文新社長に聞く「進化」の姿

カンタンに言うと

オルビス、阿部嘉文新社長に聞く「進化」の姿
 ブランド再構築から進化へ――。「商品価値の向上」と「コミュニケーションの変革」を両軸に据えてブランドの再構築を軌道に乗せているオルビスが、阿部嘉文新社長(2014年12月24日付社長就任)の指揮のもとでさらなる進化を遂げようとしている。

 阿部氏は、町田恒雄前社長との二人三脚でブランド再構築とそれに伴う業績アップを実行してきた中心人物の1人だ。

 「革新志向が強い」と言われる阿部氏は、この先の未来にどんな絵を描こうとしているのだろうか。再構築への道のりと、今後の「進化」の具体像を聞いた。

「価格」から「価値」の訴求へ、
組織・従業員の意識改革断行

 ――町田前社長の右腕としてブランドの再構築を指揮してきた当時、具体的にどんな役割を担っていたのでしょうか。

 阿部 そもそも町田は同じ大学・学部の1年先輩でもあり学生時代から顔を知っていて、(現在の)ポーラに入社して数年後にも同じ部署に配属され、一緒に仕事をした経験がある。

 その後、町田は山口県の販社の社長に、同じ時期に私は小倉(福岡県)の販社長に就任した。その当時も販社長の勉強会などがある際は、一緒に待ち合わせして出掛けたりもした。

 2012年に町田がオルビスの社長に就任する際、私も常務として彼を支えるポジションに就くことになるのだが、もともと親しみのある関係性の近い先輩だったので、オルビスのブランド再構築に向けて十分意見交換はしていた。

 町田の「価格訴求になっている(当時の)ブランドのあり方を変えたい」という思いに私も共感していた。まずは、カタログ冊子「hinami(ヒナミ)」の編集方針や、特価やディスカウントを軸にした集客手法を見直し、商品の価値をしっかり伝えることで購入に至る流れを生み出したいと考えた。

 一方で、そうした「価格訴求」から「価値訴求」へのブランディングを断行するうえでは、会社組織や従業員の意識変革、つまり「インターナルブランディング」も両輪で進めていく必要があった。

 役割分担としては、ブランド再構築のストーリーづくりを町田が担う一方で、私は具体的な施策を実行しながらインターナルブランディングに比重を置いて進めてきた面がある。その際、部署を横断したかたちの「インターナルブランディングタスクフォース」を新たに立ち上げ、若手社員を中心に月に1~2回ほど議論の場を設け、再構築への意識を醸成してきた。

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