カンタンに言うと
ビタミンC60バイオリサーチは、フラーレン原料において、新たに「モイストフラーレン(MF)」「ヴェールフラーレン(VF)」の2種を開発し、「CITE Japan」で発表する。
「MF」は、フラーレンの特長の1つである保湿機能を高めた製品だ。角層のバリア機能を回復させ、肌本来が持っている保湿機能を引き出すだけでなく、保湿因子NMFを増加させ、保湿機能を大幅に高めることがエビデンスとして確認されている。リポソーム化に調整することで浸透性を高め、他の原料と組み合わせてオリジナルのフラーレンカプセル原料をつくることができるという。「MF」の保湿性の高さについては角層水分量の比較試験などでも実証されている。
一方の「VF」は、フラーレンをシリカに含浸させたメークアップ原料で、フラーレンの抗酸化能を活かしたスキンケアもできる機能性ファンデーションなどに提案していく。シリカは感触も良好なため、メークアップ全般の製品に使いやすいとしている。
「フラーレンを化粧品原料として発売してから10年の節目に新製品を発表できたことは感無量だ。既存の『ラジカルスポンジ』と『リポフラーレン』とともに、原料の特長ごとに位置づけを明確に示すことで、これまで未開拓だった市場へも提案していく」(林源太郎社長)
既存のフラーレン原料については、新たな研究成果「ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)により発生する細胞内活性酸素のフラーレンによる抑制」についても発表する。SLSを培養細胞の培地に添加すると細胞内活性酸素が増加し、細胞生存率が低下することから、SLSが皮膚に与える影響に、活性酸素が関与していることが示唆されている。
試験では、HaCaT細胞を培養し、SLSで刺激を与えたうえ、蛍光強度を測定して細胞内の活性酸素レベルを測定した。その結果、ラジカルスポンジ1%相当のフラーレンで、SLSにより増加する細胞内活性酸素量を有意に低下させたことが確認できた。蛍光強度測定によるSLS添加30分培養後の細胞内活性酸素レベルの比較では、活性酸素と反応したH2DCFDA由来の緑色光が、ラジカルスポンジの添加により蛍光強度が抑えられていることが確認された。
よって、細胞内活性酸素レベルが抑制されていることがわかった。このことから、同社はヘアケアをはじめとする洗浄系製品にも積極的に提案していく方針だ。
また、展示会初日の6月3日に「出展社技術発表」において2つの新原料について講演を行い、ブース訪問へとつなげる。
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この記事は週刊粧業 2015年5月25日号 12ページ 掲載
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