資生堂空港免税店、訪日客が最後に訪れる情報発信基地

週刊粧業 2015年10月12日号 7ページ

カンタンに言うと

資生堂空港免税店、訪日客が最後に訪れる情報発信基地
 資生堂の子会社であるザ・ギンザでは、国内空港免税店での資生堂化粧品の販売を手掛けているが、昨秋の免税法改正にともなうインバウンド効果で売上げを大きく伸ばしている。

 約10年にわたり、この事業に携わってきた桑元淳執行役員営業推進部長に空港免税店における販売戦略をたずねた。

免税店創生期から化粧品販売
富裕層を意識した売場展開も

 免税店は東京オリンピックが開催された1964年、羽田空港の国際線開通とともに1号店がオープンした。資生堂はその当時から、免税店における化粧品販売を行ってきたパイオニア的存在であり、現在では25の空港の47店舗で販売を行っている。

 桑元氏によると、この10年で空港の免税販売は大きく様変わりしたという。

 「10年前の成田空港には今のように中国のお客様が沢山訪れることはなく、台湾や韓国のお客様が全盛だった。当時は南ウイングがまだなく、今ほど商業施設が発達していなかった。しかしインバウンドの増加や国の政策もあって『日本でお客様をお迎えする空港』として発達し、2006年から商業施設が急激に拡大していった。羽田空港では2010年に国際線ターミナルが拡充し、関西空港も今春に商業エリアが拡大した。7月31日には福岡空港ビルが資生堂コーナーをリニューアルオープンした。インバウンドの拡大とともに空港自体もお客様のニーズに応えて発展してきたと言える」

 海外からの旅行者はリーマンショック、疫病、為替、自然災害、政治問題など様々な要因で減少する。

 免税店もそのような影響を受けた時期があったが、ここ2年間は海外からの旅行者が着実に増え、同社でも免税店での売上げはいずれも順調に伸びている。

 各社が免税店を企業イメージを発信する重要な接点と位置づけるようになった。

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