花王、世界初のインク技術で産業印刷分野に参入

粧業日報 2016年3月28日号 1ページ

カンタンに言うと

花王、世界初のインク技術で産業印刷分野に参入
今年中にインク・色材の販売開始、
2020年に100億円以上の事業規模へ

 花王は、3月16日に記者会見を開催し、このほど開発に成功した環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インク技術を用いて産業印刷分野に参入することを発表した。

 今年度中に新技術を搭載したインク・色材(原料)の販売をスタートし、2020年には100億円以上の事業規模を目指す。

産業印刷分野をケミカル事業の次なる柱に

 冒頭、執行役員ケミカル事業ユニット長の根来昌一氏が挨拶し、ケミカル部門の事業内容について説明した。

 花王では、2015年度の連結売上高1兆4718億円のうち、ケミカル事業が4事業中3番目に高い比率(17%、2885億円)を占め、P&Gやユニリーバ、ヘンケルなど世界の名立たるトイレタリーメーカーの中で唯一、化学品(油脂製品や機能材料製品、スペシャリティケミカルズ製品など)を展開している。

 事業領域は、洗剤・香粧品・化粧品から食品、土木・建築、潤滑油、色材など多岐にわたっており、シャンプーの6本に1本、国内に流通するカラーコピーの2枚に1枚、エコタイヤの2本に1本は花王の化学品が使用されている。

 また、ケミカル事業の海外売上比率は約7割となっており、海外に拠点を19カ所(アジア12、欧米7)構えていることも大きな特徴だという。

 今後は、ケミカル事業のさらなる成長に向け、水性インクジェット用顔料(インク・色材)のグローバル展開も視野に入れており、5月31日にドイツで開催される国際印刷・メディア産業展への共同出展を皮切りに紹介活動を本格化し、「ケミカル事業の次なる柱に育てていきたい」(根来氏)と意気込みを語った。

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