第3回 韓国百貨店の化粧品ビジネス

 化粧品流通チャネルとしての百貨店

 韓国の化粧品市場における百貨店の占有率は2010年基準で約26%である。百貨店の化粧品売り上げは1980年代から伸び続けており、その競争力は他のチャネルに類を見ない。2010年現在、国内最大手のロッテ、新世界、現代の約80店舗で、百貨店売り上げ全体の約9割を占める。

 2010年、百貨店の化粧品売り上げ

 2009年から上向きとなった韓国国内における百貨店の化粧品売り上げは2010年も引き続き、高い成長率を記録した。2009年に1兆9000億ウォンであった売り上げは、2010年に前年比8.1%増の2兆570億ウォンまで増加。百貨店は化粧品の最大流通チャネルとなった。消費拡大による百貨店の売り上げ増加に伴い化粧品メーカーの百貨店進出が加速され、さらなる成長を促した。

 百貨店ブランド

 韓国の百貨店に進出している化粧品ブランドの数は多いが、必ずしも企業数が多いということではない。つまり、20~30のブランドが存在するが、企業は5~7社程度である。(ランコム、ビオテルム、キールズなどはロレアルグループ。エスティローダー、M・A・C、アヴェダなどはエスティローダーグループ)

 2010年、大手百貨店で最も売れたブランドはアモーレパシフィックの雪花秀(ソルファス)で3年連続の首位であり、2位はSK-Ⅱ。なお、成長幅が最も大きかったブランドは6位のキールズで、10位以下からの浮上である。

表8.jpg参考統計資料:韓国週刊コスメティック美容年鑑、毎日経済新聞

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吉田武史

吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長

東京理科大学薬学部在学中に行政書士国家試験に合格し、吉田法務事務所を開業。卒業後は薬剤師とのダブルライセンスで薬事許認可業務の代行申請、コンサルタント業をスタート。薬事専門の法務家として、国内外で活動中。今年8月には日本で初の薬事法専門の学会である「一般財団法人日本薬事法務学会」を設立。

http://www.yakuji.net/

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