中国マーケットは、世代間のギャップも大きいことが特徴です。中国は建国以降、文化大革命や改革開放など、大きな社会変化があり、それらの変化が、各世代の価値観に大きなギャップを生んでいます。
改革開放前を経験した世代は「倹約が美徳」という感覚を持っていますが、1980年代生まれの世代は、改革解放後の経済発展とともに成長したため、それ以前の世代と違った価値観や行動様式を持っています。そのため、「80后(バーリン・ホー)」と呼ばれ、現在の中国で次世代新人類として注目されています。
「80后」は、①大卒でホワイトカラーが多く所得が高いこと、②一人っ子が多く両親や祖父母から経済的援助を受けることができるため、身の丈以上の購買力が期待できること、③人口ボリュームが約2億人と大きいこと、④外国ブランドや文化の受容度が高いこと、などから、今後の有力なターゲット世代として、中国で内販を進める外資系企業の中で注目を集める存在となっています。
化粧品業界でも、資生堂を始め、「80后」をターゲットにしたマーケティング戦略が展開されつつあります。
浅井潤司
(株)矢野経済研究所主席研究員
2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。
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