第5回 お題目だけの「顧客満足向上」から脱却しよう(その①)!

 「顧客満足向上」「お客さま第一主義」......。

 経営理念や企業ビジョン、あるいは行動指針など、打ち出し方は違えども、顧客満足の言葉はあらゆるところに出てきます。当然、このコラムを読んでいただいている皆さんの会社でも、何らかのカタチで表現されていることだと思います。

 これ自体は、大変素晴らしいことだと思うのですが、一方で強烈な違和感を感じるような場面に出くわすことも少なくありません。

 例えば、経営者の方が「お客さまの立場にたって考えて行動しよう」と常日頃言っているような会社の現場にお邪魔した際、従業員の皆さんに「具体的にはどんな行動をしていますか?」と尋ねてみても、明快な答えが返ってくるケースは殆ど無いというのが現実です。

 役員会や営業会議などに同席させていただくことも多々あるのですが、「どうすれば売上・利益を上げられるか」「どうすれば見込客を集められるか」というテーマはあっても、「どうすればお客さまに喜んでいただけるか」というテーマはありません。

 つまり、会社の方針として掲げられ、経営者自らがその大切さを伝えようとしても、なかなか現場には伝わらず、結果として"お題目"になってしまっているのです。しかし、これは致し方ないことかも知れません。

 なぜなら、特に創業者は、強い"想い"をもって会社を立ち上げているので、お客さまに買っていただける喜びを原体験として持っていますが、従業員は、一定の売上・利益が出る仕組みが出来た会社に入ってきているので、そこまでの"想い"も持ちようが無く、だから体験もできない訳で、そこには大きなギャップがあるからです。

 このギャップを埋めていく為の解決策として、お薦めしていることのひとつに「"お客さま力"を高める」取り組みがあります。"お客さま力"とは、自分自身がお客さまとして商品やサービスを購入する際、その会社や店舗のサービスレベルを評価する力のことを言います。

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川原慎也

(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー

1998年船井総合研究所入社。1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられる。最近は、「営業戦略の落としどころは営業マンの行動配分」「断れない提案」「新規開拓一点集中」、等の“視点”の提案を始めている。

http://www.funaisoken.co.jp/site/profile/profile_142.html

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