韓国化粧品市場は毎年成長を続けており、消費者からは商品力や手ごろな価格だけでなく、独特な容器を求めるニーズが高まっている。最近ではユニークな容器やパッケージなどデザインで差別化をはかる傾向にある。すでに化粧品の容器は単なる"イレモノ"ではなくなってきている。主要成分の表示やかわいらしさの訴求に加え、企業哲学を反映させたものなど、斬新な容器で消費者の目を引こうとする動きがあるのだ。
独特なアイデアを取り入れた容器
パッケージで化粧品の成分特性を打ち出している製品がある。「ホリカホリカ」(Holika Holika)ではワインを入れるオーク樽型容器を採用した。容器の形だけで主成分がワインであることを消費者にアピールできるからだ。「スキンフード」(Skin Food)ではトウモロコシのでん粉と小麦胚芽を配合したアイシャドーをカンパンの容器に入れた「乾パンシャドウデュオ」を発売した。容器の蓋を閉めると乾パンの形になり、蓋を開けると星の模様が刻まれていて、まるで乾パンと金平糖のようだ。また、米を原料としたシリーズでは、米の袋のようなパッケージを使っている。独特なパッケージの効果でマーケットでは大きな反響を得ている。
デザインで勝負する容器
化粧品容器が注目を浴びているのは、商品説明がなくてもひと目で消費者の視線を集められる、独特なデザインが次々に登場しているからである。
かわいいキャラクターが描かれた容器が人気を集めている。「トニーモリー」(Tonimoly)はザクロ、イチゴ、桃など、フルーツのキャラクター人形のリップグロスを販売して、マンガ好きな消費者の注目を浴びた。
「エスプア」(eSpoir)のパフュームミーストでは、ロシアの伝統的な人形「マトリョーシカ」を連想させるユニークなデザインの容器を採用した。
「エチュードハウス」(Etude house)では絶滅の危機にあるミツバチやテントウムシなどをイメージした容器にハンドクリームを入れて発売している。
最近では著名なアーティストやデザイナーと組んで容器を作り込むブランドも多い。「トゥークールフォースクール」(too cool for school)ではイギリスのイラストレーター、 アンクヴェックマンの作品を使った容器が好評を博している。
アップルの天才デザイナー、ジョナサンアイブがデザインを手がけるなど、容器にこだわる化粧品ブランドは多い。ジョナサンアイブはiPhoneやiPadなど、シンプルでスマートなアップルスタイルで容器をデザインした。
吉田武史
吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長
東京理科大学薬学部在学中に行政書士国家試験に合格し、吉田法務事務所を開業。卒業後は薬剤師とのダブルライセンスで薬事許認可業務の代行申請、コンサルタント業をスタート。薬事専門の法務家として、国内外で活動中。今年8月には日本で初の薬事法専門の学会である「一般財団法人日本薬事法務学会」を設立。
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