「お客様の立場にたって考えて行動しよう」
このように伝えてみたところで、なかなか現場スタッフの行動に落ちていない状況が散見されますし、その要因として、「"お客様力"の低下」があることを前回お伝えしました。
自分が買い物をするお客様の立場であるときに、「接客を受けるのは面倒だから」とサービスを評価できる機会から逃げているようでは、"お客様力"が高まるはずもありません。
以前、クライアントの若手社員から、「サービスで有名なリッツカールトンホテルに泊まってきたのですが、特段凄いと思うところはありませんでした」という話を聞いたことがあります。少し詳しく聞いてみると、チェックインして、部屋でくつろいで、チェックアウトした、という話だったので、「どんなサービス力なのかを体感しようと思ったら、もっと積極的に関わらないとそれはわからないよ」とアドバイスしたことがあります。
お客様と接する自分の仕事に活かすためにも、「なぜ、接客を受けるのは面倒に思うのか?」「仮にそう思わない接客はどんな接客なのか?」を、自分がお客様の立場のときに探求する習慣をつけることを教えてあげないと、"お客様力"はどんどん低下していくでしょうし、仕事の楽しさや面白さにも気づけないのではないでしょうか。
先日、ある美容院に行ったときの話です。
もう1年位通っている美容院で、担当のスタイリストYさんから突然、「川原さん、実は今おすすめで、髪の毛の質がとても良くなる効果のあるシャンプーがあるんですが、是非お試しになりませんか?」という提案がありました。
「お試しにって、タダなの?」と聞いてみたところ、「通常は2800円のところを、初回は2000円で大丈夫です」とのこと。カット&シャンプーで3500円の費用が、この凄そうなシャンプーで5000円に上がる計算になります。
川原慎也
(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー
1998年船井総合研究所入社。1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられる。最近は、「営業戦略の落としどころは営業マンの行動配分」「断れない提案」「新規開拓一点集中」、等の“視点”の提案を始めている。
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