日本ではここ数年、内外美容の観点から、美容健康食品市場が活発化していますが、これは中国でも同様です。中国では「内服美容」と呼ばれ、今、消費者の間でブームになっています。
一般に広く販売されている美容健康食品の多くは、シャクヤクやトウキ、カイケイジオウなどの生薬、あるいは蜂蜜などの天然成分を配合し、「天然成分」や「純天然」を強調しています。市場は順調に拡大、2010年には市場規模100億元に達し、健康食品市場全体の約20%を占めると推測されます。
しかし、近年、参入企業の増加によって価格競争が激化しており、これらの美容健康食品の価格は1年間に5%~10%の下落傾向にあり、製品1パッケージ当たりの市販価格は、30元以下が中心となっています。
カテゴリー別では、ダイエット関連製品が約40%、保湿、オイルコントロール、ニキビ、シミそばかす対策などのトラブル関連製品が約30%、貧血改善などの栄養補助とアンチエイジングを目的とした製品が約30%となっています。
中国における美容健康食品市場のトレンドは、以下の4つがあげられます。
①有名ブランドのシェア拡大
既に強力な知名度と流通網を持つ有名ブランドのシェアが拡大する一方で、知名度の低い新興ブランドは苦戦しています。
②広告への依存
他のヘルスケア製品に比べ、使用後の効果がわかりづらく、また、時間を要するため、消費者の選択は認知度やブランドイメージに頼らざるを得ないところが大きくなっています。そのため、TVや屋外広告などの広告媒体が、ブランドイメージ構築のための主要手段となっています。広告によるブランドイメージ構築には、ある程度の規模の投下資金が必要となり、小規模メーカーが淘汰される傾向にあります。
浅井潤司
(株)矢野経済研究所主席研究員
2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。
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