化粧品を購入する時に影響を与える要素は口コミ、パッケージ、ブランドネームなどさまざまである。
化粧品は美しさを訴求するだけに、イメージが大事であり、そのイメージを作るのにモデルの役割は大きい。特定の化粧品を思い浮かべる時に、自然とそのモデルを連想してしまうからだ。
その時代に一番ホットな話題となる人気のスターや俳優が化粧品モデルになるのは、今も昔も変わらない。化粧品のモデルをやっていることが、その当時の人気をはかる基準になるくらいである。
化粧品業界では各ブランドが時代ごとに独自のイメージを掲げているため、時間が経つにつれモデルも交替を余儀なくされる。
化粧品モデルにも韓流の風
2000年の初頭まで、化粧品モデルは当然のように美しい女優達が占めていたが、現在ではアジアから世界的旋風を巻き起こしている韓流の風が、化粧品モデルのトレンドも変えつつある。
特に低価格なブランドショップはアイドルをモデルに立てるマーケティングを通じ、10~20代の若者から熱い支持を得ている。
アイドルの若く、トレンディーなイメージはこれらのブランドショップが追求するイメージと合致するし、アイドルに対する熱いファンの心がそのままブランドに対する思い入れに反映されるためである。
モデル戦略の多様化
中、高価格化粧品においてもそのイメージに合うモデルを起用し、効果を得ている。一人のモデルだけでなく、男女二人、またはメインモデル以外に追加モデルを起用するマルチモデル体制で、消費者の心をつかもうとしている。
ひとつのブランドに複数のモデルがつく場合、モデルにはそれぞれの役割がある。ブランドイメージ、個別製品のプロモーションなど、複数のモデルを起用することでシナジー効果をもたらしている。
ビジュアルだけでなく、俳優やモデルが有名な歌手と一緒にイメージソングを歌うことで、より親近感あるイメージを作ることもある。
女性だけでなく、男性モデルも起用してブランドイメージを違和感なく表現しているブランドもある。好感度の高い男性人気モデルを使えば、そのブランドに関する関心と好感度もアップする。
男性モデルは人々の潜在的な美に対する欲望をかき立てることから、女性用化粧品だけでなく、男性用化粧品の売り上げにも貢献している。
吉田武史
吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長
東京理科大学薬学部在学中に行政書士国家試験に合格し、吉田法務事務所を開業。卒業後は薬剤師とのダブルライセンスで薬事許認可業務の代行申請、コンサルタント業をスタート。薬事専門の法務家として、国内外で活動中。今年8月には日本で初の薬事法専門の学会である「一般財団法人日本薬事法務学会」を設立。
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