第22回 注目集める内陸部主要都市の商圏紹介①

 現在、大手化粧品メーカーの注力地域は、成熟しつつある沿岸部から、成長著しい内陸部へ移行しています。そこで、今回からは、内陸部の主要都市(重慶、西安、成都)の商圏を紹介していきたいと思います。まず第1回目は重慶を紹介したいと思います。

 重慶市には5つの商圏があり、解放碑商圈を筆頭に、2000年以降、嘉陵江を挟んだ江北区に観音橋商圏が形成され、沙坪商圈、南坪商圈、楊家坪商圈も相次いでオープンしています。
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 「解放碑商圏」は富裕層をターゲットにする大都会広場と美美時代百貨があり、世界トップブランドが数多く集まっています。また、中間層をターゲットにする太平洋百貨、王府井百貨、重百百貨などが密集しています。

 「観音橋商圏」は重慶5大商圏の中で、最も新しい商業エリアです。地方政府の投資と複数のディベロッパーによる開発で、歩行者天国を中心に商業施設が集まるエリアとして変貌させました。同商圏には、重慶市最大のショッピングモールである北城天街や遠東百貨、茂業百貨、新世界百貨、新世紀百貨などの大型商業施設が密集しています。

 「沙坪商圈」は学生の街でもあり、消費能力が高くないため、全体的な商業施設のレベルは解放碑商圈と観音橋商圏に比べ劣ります。同商圏の特徴は、大型総合スーパーの進出が多いことで、「新世紀超市」や「カルフール」など、同商圏のみでスーパーの営業面積は9万㎡近くになっています。

 「楊家坪商圈」は古くからの重工業エリアであり、居住エリアでもあります。家電量販店が多く、蘇寧電器や国美電器、商社電器、錦陽数碼などが出店しています。また、2万㎡の地下商店街があり、婦人服や服飾品、靴など、豊富な種類の商品が売られていますが、価格レベルは廉価品が中心となっています。

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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/china/

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