第23回 中小企業で利用される会計基準

 上場会社等では公認会計士監査が義務付けられていますので、それらの会社はいずれも共通の会計基準(いわゆる日本基準)で財務諸表を作成しています。この会計基準は、必ずしも法人税法と処理が同じということは無く、あくまで会計的にはどう処理すべきか、という観点で作られています。

 一方、中小企業では、法人税法から逸脱しない会計処理は行われているものの、一般的には上場企業等の用いる会計基準と比べて、その会計処理の自由度は高いのが実情でした。

 そこで、会社法成立を契機とし、中小企業向けの統一的な会計処理の指針として、日本公認会計士協会、日本税理士連合会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の4団体により「中小企業の会計に関する指針」が平成17年8月に公表されました。

 中小指針は中小企業向けではありますが、「望ましい会計処理や注記等を示すもの」「一定の水準を保ったもの」とされており、有価証券の評価や退職給付会計、税効果会計など、公認会計士監査を受けている企業等で要求される企業会計の基準が多く取り入れられています。

 そのため、多くの中小企業にとっては高度かつ複雑、経営者が理解しにくい、商慣行や会計慣行の実態に必ずしも即していないとの指摘があり、中小指針の利用実績はそれほど多くなかったというのが実情でした。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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