新聞・TV等の報道でご存知の方も多いと思いますが、シャープ、ソニー、パナソニック等々、日本を代表する電機メーカーが大変苦しい状況に陥っているようです。アップル、サムスン、あるいはハイアールといった海外の企業が好業績を上げているなか、かつて隆盛を誇っていた日本企業がどうしてこのような状況になっているのでしょうか。
例えば、このような話を聞きました。
imac、ipod、iphone、ipad、と次々にヒット商品を生み出し、劇的な復活を遂げてきたのがアップルですが、ipodに匹敵するような商品をソニーは開発していたそうです。
そもそもウォークマンで一世を風靡したのがソニーですから、当然デジタルへの移行が加速化する中で商品開発にも取り組んでいたのでしょう。
しかしながら、楽曲の権利を有する音楽業界を口説き落として、ソフトが揃ってこそのハードというビジネスモデルを構築してあっという間にシェアを獲得したのはアップルでした。
ソニーは、ソニー・ミュージックエンタテインメントというソフトの会社がグループにいたにも関わらず、というか逆にそれが仇となって遅れをとってしまったのです。1曲単位で、しかも低料金でダウンロードできるような仕組みは、音楽会社側にとってみれば利益を失ってしまうように感じます。それ故に、調整がつかないまま時間だけが過ぎていったのでしょう。
一方、アップルは、(惜しまれながら2011年に亡くなってしまった)スティーブ・ジョヴズが、ユーザーにとって最も便利な利用シーンだけを考えて、その行動力で音楽業界を巻き込むことに成功し、他企業の追随を許さない体制を構築しました。
この話から私は感じました。
「お客さまの生活をより便利にするために」を大前提に置きながら、開発メンバーがとことん努力する姿勢はそもそも日本企業が持っていた強みだったのではないでしょうか?
川原慎也
(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー
1998年船井総合研究所入社。1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられる。最近は、「営業戦略の落としどころは営業マンの行動配分」「断れない提案」「新規開拓一点集中」、等の“視点”の提案を始めている。
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