書店のビジネス書コーナーによく足を運ぶ方であればご存知かも知れませんが、拙著「これだけ! PDCA」おかげさまで9万部に到達しました。ビジネス書の場合、1万部売れればヒット作と言われる世界なので、そういう意味では大ヒットです。
非常にありがたいことなのですが、一方で「なぜこんなに売れるんだろう?」と不思議にも思っています。
どうしてかと言うと、「PDCA」というのは、Plan(計画をたてる)→Do(実行する)→Check(評価する)→Action(改善する)、の頭文字をとったもので、ビジネスで成果を上げる為に「PDCA」をしっかり回しましょう、というのは随分昔から言われていることでもあり、特段新しい考え方でも何でもないからです。
しかし、本書をきっかけにコンサルティングの依頼をいただいた企業の経営者の方々と話をしながら、だんだんその理由がわかってきました。
恐らく、多くの企業にも共通する問題だと思いますが、ここ数年で現場リーダーの"リーダーシップ"(関わるメンバーを引っ張っていきながら、任された仕事で成果を上げる力)が低下している、そう認識している経営者が増えてきているのです。
高度経済成長期のように、がむしゃらに頑張っていれば成果が上がった時代とは異なり、多くの業界が成熟期に突入して、成果が上がりづらい環境になりました。
そのような環境のなかで、現場リーダーは、自分の会社が掲げる目標に対して、「そんな数字とても無理だ」と最初から諦めてしまい、「まあこの程度の数字であれば許される」という自ら設定した"できる目標"を追いかける癖がついてしまっているのかも知れません。
"できる目標"を設定してしまった瞬間から、「PDCA」は不要なものとなります。
なぜならば、創業から年数も経っている会社であれば、今までと同じような仕事を変わらずにやっていれば、一定の業績にはなるからです。それが組織としての強みでもありますが、それに依存してしまうことで考えない従業員が増えていくと当然成長はありません。
「会社を成長させたい」というその思いを、経営者と現場リーダーが共有できた瞬間から、各現場の"すべき目標"が合意のもとに設定され、"すべき目標"を達成するための「PDCA」が必要不可欠なものになるわけです。
川原慎也
(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー
1998年船井総合研究所入社。1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられる。最近は、「営業戦略の落としどころは営業マンの行動配分」「断れない提案」「新規開拓一点集中」、等の“視点”の提案を始めている。
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