第24回 「未来日記」を書いてみよう!

 「作れと言われるから仕方なく作ってはいるけど、実際中期経営計画なんて作ったところで、その通りにならないんだから意味ないよね」。これは、業績が伸びていない会社の幹部クラスにありがちなコメントです。

 そもそも中期経営計画は、その会社が数年後「なりたい姿」に向かっていく上で、「何をしなければならないのか」を明らかにする為に作るものです。

 「なりたい姿」の要素として、当然「売上が上がる」「利益が上がる」といったものが盛り込まれるでしょうから、「どんな商品・サービスを伸ばすのか」「新たな商品・サービスを投入するのか」「従業員数をどの位増やすのか」「どんな仕組みで従業員を育成するのか」、といったものが計画書のなかで表現されていることになります。よって、その計画が実行に移される段階から、「仕事のやり方をどう変えていくか」がもっとも重要な課題になるはずです。

 全ての従業員が、以前のままの仕事のやり方で何も変化を起こさなければ、結果はこれまでと大して変わらないのは当たり前です。市場が成長期にあれば、どんどん仕事が舞い込んでくるので、「もっと効率的に」あるいは「もっと効果的に」を考えざるを得ない状況に追い込まれてしまいますから、変化は必然的に起こったわけです。

 ところが、安定期もしくは衰退期に差し掛かっているような業界では、どんどん仕事が舞い込んでくるようなことは起きません。そういった業界で戦っている会社であれば、経験則として理解しているはずだと思うのですが、業績が伸びない要因をなぜか外部環境に求めてしまい、仕事のやり方は変わらない、これは非常にもったいないことです。もはや、外部から「仕事のやり方を変える」(どんどん仕事が舞い込んでくる)ようなプレッシャーは期待できないと考えた方が良いでしょう。

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川原慎也

(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー

1998年船井総合研究所入社。1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられる。最近は、「営業戦略の落としどころは営業マンの行動配分」「断れない提案」「新規開拓一点集中」、等の“視点”の提案を始めている。

http://www.funaisoken.co.jp/site/profile/profile_142.html

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