【週刊粧業2014年5月26日号4面にて掲載】
化粧品通販の場合、品揃えも重要ですが、いかに自社にとって一番売れる強い商品を育成していくかが、売上アップのポイントとなります。
売上が伸び悩むと、商品数を増やす事で、売上アップに繋がると考えがちです。しかし、やみくもに商品数を増やしても、増やした分だけ売上が伸びるかというと、実際のところ、自分たちが想像したようには売上は伸びていきません。
また、売れていない商品の売上を伸ばすことで、事業全体の売上も伸びるのではと考え、売れていない商品の販売に力を注ぐようなケースもよく目にします。しかしながら、売れていない商品を販売することは、かなりの労力を必要とする割には事業にインパクトを与えることが出来る程、売上アップにはつながりません。
そこで、最も重要な事は、自社で一番売れている商品、一番伸びている商品に経営資源を集中させ、新規獲得、リピート顧客育成に取り組んでいくことです。
ある通販企業A社は、売上アップの為に、数多くの商品を販売していました。様々な商品で広告出稿を繰り返し行っていましたが、なかなか広告も当たらず、思うように売上が伸びていきませんでした。そこで、当時1番売れている商品を1番商品と据え、その商品に経営資源を集中させ、広告テストをくり返し行っていきました。試行錯誤の結果、当たる広告を見つけることが出来、併せて顧客フォロー体制もしっかり構築したため、売上アップへと繋がっていきました。
ある化粧品通販企業B社は、毎月発行するDMの中に、ほとんど売れていない商品を掲載することで、その商品が売れ、事業全体の売上アップに役立つと考えました。結果としては、通常月よりもその商品の販売個数は伸びましたが、事業全体に影響を与えられる程の売上にはつながりませんでした。逆に売れていない商品にDMのスペースを割いたことで、DM自体の売上が通常月より下がってしまいました。
一方で、通販企業C社は通販事業立ち上げ当初から、商品を1品に絞り、広告予算、労力の全てをそこに費やし、その結果、短期間に通販事業を軌道に乗せることに成功することができました。
自社で一番売れている商品、一番売上が伸びている商品に絞り、労力や予算を集中させることがとても重要です。一番売れている商品の売上が伸びると、自然とその周辺商品の売上も伸びて行き、結果、事業全体の売上が伸びていきます。自社の一番商品を見つけ、その商品の売上をさらに伸ばしていくことを徹底的に取り組んでいってください。