第34回 使いやすくなった早期審査でスピーディなブランド保護を

【週刊粧業2018年7月23日号6面にて掲載】

 ここ最近、商標登録出願の件数が増加しています。2014年までは年間12万件程度で推移していましたが、昨年は19万件超と3年前の1・5倍程度の水準まで増加しています。

 この増加はブランド保護意識の高まりとも捉えることができ歓迎すべきことですが、その副作用として、審査期間の長期化の問題が生じています。ほんの1年程度前までは出願から5カ月程度で審査結果が来ていたのですが、今では出願から7カ月程度かかっている印象です。

 商標は登録になってから使用開始するのが安全であるという原則を踏まえますと、審査結果が判明するまでに半年以上かかってしまうというこのタイムラグは非常に大きいですし、近年では企業様の事業のスピードも上がってきていますので、審査期間短縮のニーズは大きなものがございます。そんなニーズに対応する制度として、早期審査制度がございますので、今回はその概要と注意点について簡単に情報提供したいと思います。

 商標登録出願の早期審査制度は、①「出願人又はライセンシーによる出願商標の使用又は使用準備+権利化について緊急性を要する出願」や、②「出願人又はライセンシーにより出願商標の使用又は使用準備をしている商品・役務のみを指定している出願」という要件を満たせば、出願から2カ月程度で審査結果が得られるというものです。

 ①の緊急性要件は第三者が同一・類似の商標を使用している、第三者からの警告や使用許諾を求めるアクションがある、すでに外国出願をしている・国際登録出願の予定があるなどの要件を満たさなければならず、ハードルの高いものとなっています。

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髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

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