第84回 スタッフの自主性が育つ環境を整える

【週刊粧業2017年6月19日号5面にて掲載】

 私はスタッフ教育で最も大事だと思っているのは、「自主性」です。やらされ感でやっている仕事と、自主的にやっている仕事では、スピードも質も大きな差が表れます。また、人は簡単に変えられるものではありません。つまり「人は育てられる」のではなく、「人は育つ」のだと思います。

 したがって、経営者は「人が育つ環境」つまり、「人が自主的に仕事をする環境」を整えることがスタッフ教育で最も大切なことだと思っています。

 私が経営するフルーツルーツでは、インターン生が来たときや新人スタッフが入社したときは、「ハンドマッサージ」を入社3日目からお客様にお金をいただいて入ってもらうことを入社初日に伝えます。それを聞いたスタッフはビックリしますが、それからは営業時間前、営業時間後に先輩スタッフにお願いして自主的に練習したり、家でも家族に練習したり、サロンでも先輩スタッフの接客を注意深く見るようになります。心理的に「お客様に迷惑をかけたくない」「恥をかきたくない」と思うので、やらされ感ではなく、自主的に練習をするのだと思います。

 また、それを終了すると、本メニューの一つ一つのデビュー日も決めてしまい、お客様の予約を入れてしまいます。ちょっと強引のようにも感じますが、期限が決まり、やらざるを得ない環境を整えることによって、スタッフもそれに合わせて自主的に頑張る環境が整います。そうした短期的な自主的な練習によって急成長していくのだと思います。

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榎戸淳一

株式会社ES-ROOTS代表取締役社長、一般社団法人エステティックグランプリ元理事長

新卒で船井総合研究所に入社し、様々な経験を積んだ後に「エステティック業界の健全化、イメージ回復」に使命感を感じ、船井総研内で自らエステティック業界のコンサルティングを立ち上げ、業界内で多大な実績を残す。現在では、株式会社ES-ROOTSを設立し、東京都目黒区に「fruitsroots(フルーツルーツ)」というオーガニックコスメ&エステティックサロンを経営している。www.es-roots.co.jp また、業界誌「週刊粧業」「セラピストBEAUTY」「ヌーヴェルエステティック」の連載、業界イベント「ビューティーワールド」「ダイエット&ビューティー」での講演など、活動範囲は幅広い。

http://www.fruitsroots.com/

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