第57回 「美魔女が得たもの、失ったもの」

【週刊粧業2015年2月16日号10面にて掲載】

 ファション業界の女性や地元マダムに人気のビストロ、アンクーで、講演依頼.comの女性編集長とお祝いの会食をしていた時に、事件は起きました。

 「私が打っているのは、ボトックス界のエルメス。だから安心して聞いて」。店中に響く大声に、ついにオーナーがとんできて、「お客様、お声を小さくお願いします」と注意をしました。一瞬静まりかえった店内には、私たちを含め、ほぼ常連の女性が十数人ほどいましたが、普段はお客様に心配りのある温厚な彼が、あんなに厳しい表情になったことにびっくり。でも、心の底では「よく言ってくれた」とホッとしていました。

 その夜、4人組の女性たちが1回目の忠告をされる前から、私たちは、隣のテーブルだったので、騒ぎすぎる彼女たちの話題が、筒抜けで聞こえていました。シャンパンで乾杯の後、リーダーママと思しき40代女性が、集まった他の女性たちに向かって、今までお金をかけてきた美容医療の武勇伝を話し始めました。

 クリニックの選び方から、今すぐ治すべき事、後回しでいい事、最新の高次元全身ドッグについてまで、まるで説法を説くかのような話しぶりです。

 赤ワインが空くころには、「安いクリニックは先生も信用できないし、どんな材料を使っているかもわからないから、私が○○クリニックの○○先生を紹介してあげる」と豪語。そこで聞こえてきたのは、山の手の住宅街にあって高級インテリアに、優しく丁寧なスタッフ、経歴や肩書の立派な先生方を集めていると評判の某クリニック。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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