第67回 「次の一手」を打つために

【週刊粧業2016年5月2日号14面にて掲載】

 銀座のデイヴィッド・マイヤーズ・カフェで、隣の席に二人の女性が座りました。

 トレンドの着こなしから、一人はファション誌のライター、もう一人は取材対象のオシャレな読者だと、すぐにわかりました。職業柄、二人のファッションチェックをしてしまいましたが、全身今シーズンのものといった感じのライターより、ブランドはわからないけれど、確実に上質な素材の服にこなれた感じでジュエリーをつけこなしている取材される側の女性の方が、ファションキャリアは断然、上そうです。さらに、外資系企業にお勤めらしく、英語まじりで話すタイプなので、可哀そうですが、インタビューの苦戦が予想されました。

 とはいえ、ライターの女性は、次号に向けて「注目のファション」について、どうしてもネタになる話しを聞き出したい様子。相手の女性が着ている服、靴、バッグについて、次々とブランド名を質問していきますが、その問いかけでは、残念ながら、一番聞きたい、次の企画につながる、本音は引き出せないと思いました。

 私なら、まずは、相手の持っている、あるいは大切にしているライフスタイルについて、じっくり聞かせていただくことから始めます。相手の世界にお邪魔させていただくといった謙虚な気持ちが、人の心を開いて、和らげていってくれることを30年以上のインタビュー経験で知っているからです。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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