第84回 こっそり父親の…という女心

【週刊粧業2017年11月6日号11面にて掲載】

 「あんなに仲良しだった娘が、2度と口をきいてくれないんですよ。」

 某アパレルメーカーの50代の取締役が、会議の後、寂しそうに話しかけてきました。

 一体、何があったのか尋ねてみると、海外出張に出かける早朝、いつも使っている自分のヘアブラシを旅支度のトランクに入れてしまったため、娘のヘアブラシをちょっと拝借したところ、後から起きてきた娘が、ブラシに一本のひよひよ白髪を見つけたらしく、「キモ!!」とラインが送られて以降、会話ゼロの日々が続いているということでした。

 JK(女子高生)にとっては、父のブラシ拝借は許されない事態ですが、クラブ活動の送り迎えから、週末のショッピングまで、仲良く一緒に出掛けていたパパにとっては、たった1度のへアブラシの拝借からほぼ絶縁とは、耐え難いショックに違いありません。痛恨のミス、後悔先に立たず。

 一方、先日、店のインポートシューズの売り場で再会した販売員の20代の女性A子ちゃんとは、逆にお父さんの愛用品をこっそり使っているという話で大いに盛り上がりました。1年前に会った時と、顔の印象が全く違っていたので、「メーク、変えた?」と、聞いてみると、「眉の勢いが違うもしれません」と、笑顔で答えてくれましたが、その秘密が、父親の愛用品、高級育毛剤のリアップにあると教えてくれたことに驚きました。まつ毛エクステよりも、自眉を育てる時代だというのです。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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