第2回 華やかなスタイルから質へ狙うは髪の「ケア」市場

【週刊粧業2019年6月24日5面にて掲載】

 中国の消費者が注目する日本の「美」と言えばスキンケア商材が代表的なのだが、近年そこに新たなものが加わっている。それは「美髪」。今回は中国消費者の髪の悩みと日本の勝機を探ってみよう。

 中国でヘアケア市場が変わりつつある。市場が拡大する過程で注目されるニーズが近年変化を続けており、その中で「日本のヘアケア商品」に注目が集まっている。

 それに気づいたのは昨年、弊社の中国クチコミデータバンク「トレンドViewer」の「○○したい」ランキングで、「美容院に行きたい」のクチコミがTOP5圏内に入ってきたからだ。さらに今年第1四半期の「買いたい」ランキングでは、TOP10にヘアケア商材が2品入った。グラフはその1つである資生堂「ばら園ローズコンディショナーRX」のクチコミ件数の推移である。徐々にクチコミ件数が増えているのが見てとれる。


「ばら園 ローズコンディショナーRX」(資生堂)クチコミ件数の推移
(出所:中国トレンドExpress「トレンドViewer」の数値を基にグラフ化)


 中国消費者の注目が日本人の「美髪」に向いているのである。

 そもそも、中国国内ではシャンプー、コンディショナーの数は極めて多く、GMSでも、欧米系、中国系のヘアケア商品がうず高く積まれ、すでに過当競争の様相を呈している。それでも日本のヘアケア商材が注目されているのは、やはり中国消費者の、特に女性の「髪の質」への希求が高まっているからだろう。

 また、ノンシリコンや枝毛修復といった機能訴求型や、「若い男性向け」といった中国では見かけないコンセプトの商品が人気だ。

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森下 智史

株式会社NOVARCA 「中国トレンドExpress」編集長

高校卒業後、約10か月間日本で中国語を学ぶ。1998年2月~上海で学部および大学院(中国古代史)で学ぶ。 2005年に卒業後、上海で在留邦人向け情報誌の編集・ライターとして業務。 2012年に日系市場調査会社上海現地法人でマーケティングリサーチ(産業調査)業務に携わる。 2015年5月、17年間の中国生活に区切りをつけ、帰国。東京で日中間のビジネスコンサルティング業務を経て2018年1月にトレンドExpress(現在はNOVARCA)入社。現在に至る。

https://www.novarca.jp/

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