【週刊粧業2018年4月9日号5面にて掲載】
多くの通販企業では、広告、ランディングページ、商品パンフレット等の制作を広告代理店や制作会社に依頼して作ってもらっています。その際、事前のオリエンをしっかり行っているか否かで、制作物のでき上がりに大きな差が生まれます。
プロに任せれば良い物ができると安易に考え、事前の打ち合わせや必要な資料をしっかりと準備しないで依頼しているような場合、期待していたほどの成果物ができ上がらないという不満足な結果に陥ります。そのため、制作を依頼する側は、その制作物を通して達成したいゴール、完成イメージが伝わるよう、念入りにオリエンを行うことが重要になります。
通販会社A社は、広告やパンフレット、会報誌の制作の際、商品説明やその制作物で叶えたいゴールを明確に伝えるため、2~3時間かけてディスカッションを行い、完成イメージの共有を図ります。仕上げたいイメージを言葉で表現する際、どうしても抽象的な言葉が頻発します。
抽象的な言葉は、受け取る人によりイメージが異なる性質を持っており、そこを曖昧にしたまま制作が進むと、でき上りのイメージが大きく異なってしまいます。そのため、手間はかかりますが、最初の打ち合わせの際に、共有イメージを持てるまで話し合いを行うことで、自社がイメージしていた通りの制作物ができ上ることを可能としています。
一方、通販会社B社は、商品パンフレットなどを制作会社に依頼する際、配合成分程度の情報しか与えませんでした。その結果、でき上がったパンフレットには、お客様に対するベネフィット、どのような想いで作られた商品であるかなどが全く盛り込まれず、成分表と変わらないような物ができ上ってきました。依頼した側は、プロに任せれば、こちらが用意していない情報さえも、調べ上げて作ってくれると思い込んでいたのです。
しかし、その商品について一番詳しいのは、外部の制作会社ではなく、販売する自社であることに気づいていれば、オリエン時に必要な情報を用意し、足りなければ調べ上げ、その情報をどのようにお客様の心に届けたいかという具体的なイメージを持ち、打ち合わせに臨むことができたでしょう。
プロが持っている能力を引き出すには、しっかりとした事前準備、オリエンを通してお互いが具体的なイメージを共有できるかにかかってきます。
もし、なかなか制作物が想像通りのものができ上がらないといようなジレンマをお持ちでしたら一度、オリエンを見直してはいかがでしょうか?