第66回 顧客を定期コースから離脱させない方法

【週刊粧業2019年2月4日号11面にて掲載】

 多くの化粧品通販企業が活用している定期コースは、継続購入をしてもらうためにとても有効な手段です。しかし、どんなに上手く定期コースに誘導できたとしても安心できません。お客様が商品、サービスに満足をしなければ、定期コースを解約してしまうためです。そこで、買い続けてもらうために、各社さまざまな取り組みを行っています。

 化粧品通販会社A社は、定期解約のご連絡があったお客様に必ず解約理由を聞いています。解約理由を聞いていくと、ほとんどのお客様が使用方法や保管方法が分かりにくいという同じような理由で解約をしていることが分かりました。そこで、解約理由を先回りして解消することを目的に、使用方法と保管方法を分かりやすく伝えるためのツールを作り、同梱することにしました。

 このような取り組みを開始してからは以前ほど、使用方法や保管方法が分かりにくいという理由による解約がなくなりました。

 通販会社B社は、お客様が購入している商品は良い商品であるという理解を深めてもらうために、定期を解約したものの後に再開したというお客様だけの声を集めたツールを同梱しています。『一度止めたけど、やっぱり○○は良い』というようなお客様の声は、購入回数の少ないお客様にとって、その商品の品質に対する安心感と期待を醸成することに繋がっています。

 通販会社C社は、買い続けてもらうためには自社を忘れられないことが一番大切であるという考えから、毎月カレンダーを商品に同梱しています。お客様は、カレンダーに予定を書き込み、常に目にすることができる冷蔵庫などに貼ってくれているようで、サービスがお客様の習慣に溶け込むことで買い続ける一つの理由となっています。

 このような小さなひとつひとつの取り組みの積み重ねがあってお客様に買い続けてもらえるのです。

 商品の品質の良さを伝えることと併せて、お客様に買い続けてもらう方法を考えてみてはいかがでしょうか?
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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