第73回 会報誌を作る上で重要なこと

【週刊粧業2019年11月18日号4面にて掲載】

 化粧品通販会社にとって、会報誌はお客様とのコミュニケーション作りに欠かせない重要なツールです。

 会報誌を送ることで、お客様との定期的なコミュニケーションを可能とし、さらに、他商品の案内を通して売上アップへと繋げることが出来るためです。しかし、最近、発送費用の高騰から、会報誌をお客様に届ける意味が問われてきています。そこで、会報誌を作る時にはその目的と目標を事前に明確にしておくことがとても重要です。

 何故、会報誌を送るのか?会報誌を送ることで得たいゴールは何か?を明確にしておくことが、送った後の成果の振り返りにも役立っていきます。

 化粧品通販会社A社は、月に1度会報誌を送っています。会報誌を送る際には、必ず前回、前々回の成果や1年前の同時期の成果を振り返り、誰に会報誌を送ると反応が良いのか?どの商品を案内するとクロスセル、アップセルに繋がるのかといった仮説を立てます。

 その仮説をもとに、会報誌の送付対象者、案内する商品を決めて、そこからようやく制作に入っていきます。こうすることで、会報誌を送った後の検証が容易になると同時に、仮説の精度も上がっていくため、立てた目標に向けて全社一致した行動を可能とします。

 通販会社B社は、会報誌単体による売上を目指すのではなく、商品と一緒に有益な情報が届くという楽しみを提供することで、長く継続した使用に繋げていくことを目的としています。

 そのため、成果の振り返りとしては、毎回アンケートを付け、会報誌のどの部分に興味を持っているのかなどを確認します。会報誌の中で商品情報にはあまり触れないため、このような会報誌を送る前は心配もありましたが、お客様からのアンケートを読むととても好意的な声が多く、継続使用の動機に繋がっていっています。

 化粧品通販会社C社は、定期制度の導入を行っていないため、会報誌の発行を通した、季節毎の商品提案が売上を大きく左右します。そのため、ページ毎の売上目標が明確で、どう提案をすればお客様が試してみたいと思ってもらえるのか、ひとつひとつの言葉選びに余念がありません。このような明確な目的と目標への強い拘りが会報誌に意味を持たせています。

 お客様との継続したコミュニケーションを可能とする会報誌はとても重要なツールですが、ただやみくもに送れば良いわけでありません。具体的な目的と目標を持ち、それらを達成するための手段であることを忘れずに送ることが大切です。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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