【週刊粧業2016年12月5日号5面にて掲載】

 皆さんこんにちは。公認会計士の田中です。㈱花王は、この平成28年度第1四半期より国際財務報告基準(以下、IFRS)を適用しています。これは、化粧品・トイレタリー業界の上場国内企業では初の事例となります。

 一方、これにより、平成27年度の1年間の連結損益計算書が、日本基準の時に比べて表1の通り調整されています。主に従来連結範囲に含めていなかったグループ会社の数値を取り込んだ影響による変動となりますが、変動率に記載の通り、IFRSを適用したからといってそこまでドラスティックに財務数値が変わるわけではないというのが確認できると思います。

【表1】


 では、なぜ近年多くの企業がIFRSを適用するのでしょうか? 花王がIFRS適用について公表した際のリリースによると、「この適用にともない、グループ各社・各事業に対して統一された仕組みや情報に基づくマネジメントが可能となり、グローバル企業として企業価値増大に向けた経営基盤強化を図ってまいります。また、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上に貢献すると考えております」とのことです。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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