【週刊粧業2019年5月20日号4面にて掲載】
インバウンド需要も手伝い、活況な美容家電市場。多くの企業が参入し、技術が年々進化を遂げています。以前は、エステサロンなどプロフェッショナルの手を借りないと至らなかった高度なケアが自宅で叶うようになり、美容関心層の間では「美容ギア」とも呼ばれ、美容家電をエステサロンの代替ツールとして活用している人も増えてきました。
マイクロインフルエンサーと呼ばれる弊社コスメラウンジ会員メンバーに最近の美容消費事情についてヒアリングしたところ、美容家電は参考にするポイントが化粧品とはまた違う点が挙げられました。
美容家電を取り入れる理由として最近よく聞かれるようになったのは、「プロによるクオリティとセルフケアの違いがさほどなくなった」という技術向上による点です。コストパフォーマンス重視の美容関心層の意見が参考にされているようで、美容家電の購入の決め手が「ネットやSNSでの購入者やモニターの口コミ」という意見が圧倒的に多いのもうなずけます。
口コミがその人の肌質や好みなどの感性に大きく左右されることが多い化粧品に比べ、美容家電は機能や効果実感の共通性が高いのも他者の口コミを参考にする理由のようです。
これからの季節であれば需要が増える「脱毛」家電に関する口コミを参考にする人も多く、「どの位の頻度や手間でどんな効果を得られているか」「一時の効果も重要だが、長く安心して使える品質なども参考にする」等は家電ならではの判断基準と言えるでしょう。
「(コメントが)自分のコスパ感覚や安心への価値観と合えば購入する」など、他者の投稿により一定の見極めを得た人が購入に至るケースが目立ちます。
また、「スチーマーは冬の乾燥対策のものだと思っていたが、毛穴汚れケアに役立つとインスタ投稿を読んで夏前に購入した」という消費者による口コミならではの影響度がそこにはあります。
こうした美容インフルエンサーのSNSや口コミが購入のきっかけにはなるものの、使い方に関する情報も求める人が多いのも美容家電の特徴ともいえます。
「店頭に見に行き、美容やギアに詳しい人のSNSや口コミを参考にし、購入する商品を決める。使い始めてから、そのメーカーのネットで使い方を詳しく調べたりするが、それでもよくわからない時は新製品のリサーチを兼ね、再び店頭に行って教えてもらうこともある」という意見もあり、店頭というリアルな接点が鍵にもなっているようです。
選択肢が増え続けるホームエステ分野は、今後、機能、効果の口コミをより参考にする傾向は強くなるが故に、消費者の「使用体験」がより影響を高めていくものと思われます。