連載コラム

激変するコスメマーケット

2021.06.29

第66回 コロナ禍を経験して欲しいものが変わった

執筆者:鯉渕登志子 (株)フォー・レディー代表取締役

Img cat2

【週刊粧業2021年6月28日号5面にて掲載】

 コロナ禍の下で自粛生活を強いられ、自宅にこもって生活する時間が多くなった。還暦を過ぎたいまでも仕事を続けている私の買い物行動が、一般のシニア層と同じとは思えないし、読者の参考になるかは不明だが、それを承知で「最近の欲しいもの」について考えてみた。

 そもそもコロナ禍前と比較すると、圧倒的に自宅にいる時間が多くなったので、まず家の中のインテリアや台所の使い勝手が気になりだした。

 例えば、ソファーの座り心地は長時間座っていても快適かとか、TVの角度は見やすいかとか、そういえば花が飾っていないなとか、ルームフレグランスはお気に入りのものになっているかとか、照明器具の明るさや色合いは目に優しいかなど、普段は「まあ、いいか」と思って気にかけずにいたことが、なかなか無視するというわけにもいかなくなった。

 何か手を打たなくてはいけない、という気になる。

 台所はより深刻だ。普段あまり料理をしていなかっただけに、調理器具や調味料の不足が気になってしょうがない。何しろちょっと夜の時間が遅くなるだけで、食べに行く場所がなくなる。

 というわけで、必要に迫られて料理をする羽目になった。そうすると料理をする前に、道具をそろえなくてはいけないという気になり、これから何度使うのかもわからない調理器具をネットで見たりしている。

 化粧品では、とにかくメイクもの、リップやチークは全く使わなくなった。ファンデーションもマスクに付かないくらいに薄く塗るだけなのであまり減らない。アイメイクやスキンケアの手順はこれまで通りであまり大きな変化はない。

 しかし毎日マスクをしている時間が長く、肌荒れしているのではないかという心配から、化粧水を何度も塗り、これまではさぼりがちだったフェイスマスクも使うようになった。お手入れを真面目にやるようになったと言えなくもない。

 大きく変化したのはボディケアだ。まずヘアケア関連は、美容室に行く回数をなるべく減らしたいために、インバス&アウトバス両方のトリートメント類を多く使うようになった。

 特にカラートリートメントは、ちらりと見える白髪対策には必需品だ。またハンドクリームやフットケアクリームも手放せなくなった。ハンドクリームは何度も手洗い&消毒を繰り返しているので不可欠アイテムになっている。

 使用感の良さを追求して様々なメーカーの商品を揃えるようになった。もちろん消毒用のジェルやスプレーは、ホームケア用、携帯用と様々な剤型、様々なサイズをありとあらゆる場所に用意するようになった。

 手足に関心が向くとネイルケアもおろそかにはしない。ボディークリーム&ボディーローションもこまめに使うようになった。改めて購入したものを挙げてみると、ボティー関連のパーツケアアイテムを多く購入するようになっていたようだ。

 つまり在宅時間が多くなると、自分のカラダの隅々まで関心がいき、少しでも不快なところをケアしたいという気になった、ということなのかもしれない。

 さらには、お風呂時間も充実させたい気分というわけで、入浴剤にもこだわり始めた。お気に入りの効能違い、香り違いの入浴剤を揃えておくようになった。併せてルームフレグランスも気になり各種のアロマ商品を買ってしまった。

 そして一人暮らしのわたしには珍しく、定期的にお花も買い、古い花瓶を持ち出して生けている。果ては寝室を整えたいと思って、ベットカバーやまくらなど、また寝る前の音楽の用意から、入眠を助けるサプリなどにも手を出す始末だ。

 要は、在宅時間が多くなったおかげで、自分の身の回りを快適にしたいという欲望が沸き上がり、欲しい商品も次々に変化してきたようだ。

 しかも巣ごもり状態になると、肌に近いところ、つまりインティメートなものに関心が向き、ファッションもよそ行き着のアウターには関心がないが、インティメートアパレル(下着)や部屋着などに興味が出てくるというわけだ。

 コロナ禍を経て、自宅時間が多くなり、欲しい商品にも変化が出てきたのは、自分でも驚きだが、それはそれで新鮮でもあり、楽しくもある。

 そしておそらく私のように小さな楽しみを見つけてコロナ禍をやり過ごしている消費者も多いはずなので、メーカーや小売業の方々には、そんな気分にジャストフィットする提案をしていただき、ライフスタイルを変えるような本気買いを誘発して欲しいものである。

この記事のお問い合わせはこちら

プロフィール

執筆者:鯉渕登志子 (株)フォー・レディー代表取締役

1982年㈱フォー・レディーを設立。大手メーカーの業態開発や通販MD企画のほか販促物制作などを手がける。これまでかかわった企業は50社余。女性ターゲットに徹する強いポリシーで、コンセプトづくりから具体的なクリエイティブ作業を行っている。特に通販ではブランディングをあわせて表現する手腕に定評がある。日本通信販売協会など講演実績多数。

http://www.forlady.co.jp/

Img cat2

激変するコスメマーケット

2021.08.02
第67回 お客様モニターを依頼し難い弊害
2021.06.29
第66回 コロナ禍を経験して欲しいものが変わった
2021.05.26
第65回 世代を超えた化粧品開発は可能か?
2021.04.26
第64回 第2のスター商品を作るには?
2021.04.02
第63回 「化粧品を売る」ことの意味を考えたい
2021.02.18
第62回 「好きな化粧品」だけを扱う仕事が成立するか?
2021.01.15
第61回 不要不急リストに入らず、選ばれる商品になる!
2020.11.17
第60回 コロナ禍の元でも売上を伸ばせる会社にしたい!
2020.10.27
第59回 化粧することで、何を叶えたいのか!
2020.09.08
第58回 お客様と一緒に作る『共創化粧品』を!
2020.07.22
第57回 本格的に通販の手法を取り入れる店舗販売
2020.06.08
第56回 化粧品で何ができるか、その役割を問う
2020.06.08
第55回 スモールマーケットに化粧品の未来がある
2020.06.08
第54回 ものづくりへの「こだわり」をどうするか!
2020.06.05
第53回 個性が輝く化粧品づくりをしたい
2020.01.06
第52回 「世代」に寄り添う化粧品
2019.12.02
第51回 ロングセラー化粧品を育ててみたい!
2019.12.02
第50回 お客様ファーストのモノづくりをしませんか?
2019.12.02
第49回 お客様不在の商品開発になっていませんか?
2019.12.02
第48回 もう一度考える『化粧品のモノづくり』とは!
2019.12.02
第47回 『コンセプト』で売れ
2019.12.02
第46回 参加型ブランドづくりのススメ
2019.12.02
第45回 オーダーメイド化粧品はヒットするか
2019.12.02
第44回 化粧品開発ほどイノベーションを
2019.12.02
第43回 統計のデータを見る
2019.12.02
第42回 化粧品ビジネスのスピード感!!
2019.12.02
第41回 化粧品無用論について反論したい!
2019.12.02
第40回 海外ばかりに頼っていられないのでは…?
2019.12.02
第39回 もっと化粧品に『アート』を取り入れたい!
2019.12.02
第38回 平均的なモノづくりほど面白くない!
2019.12.02
第37回 社員に愛される化粧品は売れる!
2019.12.02
第36回 化粧品の推奨使用量を守っていただくには?
2019.12.02
第35回 アクティブシニアが化粧品に熱い!
2019.12.02
第34回 化粧品メーカーのブランディングとは?
2019.12.02
第33回 化粧品はもっと楽しんで使いたい!
2019.12.02
第32回 美容時間は短い方がいいか?『時短美容』に思う
2019.12.02
第31回 もっとワクワクさせるものが必要だ?
2019.12.02
第30回 女性用育毛剤市場はこの先も拡大?
2019.12.02
第29回 成熟期の販促へ舵を切る時が来た!
2019.12.02
第28回 ますます細分化、目的別化粧品へ
2019.12.02
第27回 悩みに寄り添っているか?
2019.12.02
第26回 アドバイス力を復活させたい!
2017.01.27
第25回 「ヘアケアだって、髪タイプ別に提案を!」
2016.06.30
第24回 「化粧品も季節に合わせて使い分け!」
2016.04.26
第23回 「自社製品の愛用者であれ!」
2015.12.03
第22回 「メーカーの枠を超えた売り場の取り組みができないか?」
2015.09.18
第21回 「使用量や使用方法を正しく伝えていますか?」
2015.05.01
第20回 「シニア世代にこそ、『パーツケア』のススメ」
2015.03.11
第19回 「もっとお客様の声を、化粧品の商品開発に生かそう」
2015.01.13
第18回 「数字をうんぬんする前に、もっと大切なことがある」
2014.10.30
第17回 「新ブランド立ち上げはゴールではない!」
2014.08.08
第16回 「消費増税の特需を契機に使用量を見直してもらう」
2014.07.16
第15回 「失敗しないリニューアルとは?」
2014.05.07
第14回 「化粧品メーカーの情報発信力」
2014.03.12
第13回 「『若返り』の秘訣は、おしゃれ!」
2013.10.28
第12回 「『現場力』を磨け!」
2013.09.06
第11回 「お手入れ手順と化粧習慣」
2013.07.24
第10回 「シニア向け化粧品開発に期待したいこと」
2013.05.09
第9回 「商品開発に『生き方提案』を込めて欲しい!」
2013.03.11
第8回 「徹底して、団塊世代に絞り込む!」
2013.02.01
第7回 「『化粧暦』をつくろう!」
2012.08.28
第6回 「『ラインナップ』か『単品』か?」
2012.06.21
第5回 「お手入れを売る!」
2011.11.14
第4回 「エイジングケア商品の拡大に思う」
2011.10.10
第3回 「化粧品は『リピート客が命!』を再確認」
2011.09.12
第2回 「通販化粧品、強さの秘密!」
2011.08.23
第1回 「売れる化粧品が変わった!」

カテゴリー

流通記者50年「経営トップとの交流の中で」

執筆者:加藤英夫

週刊粧業 顧問(週刊粧業 流通ジャーナル 前会長)

Img cat27

化粧品通販ビジネス実践講座

執筆者:船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

Img cat14

矢野経済研究所 アジア美容マーケットニュース

執筆者:浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

Img cat9

矢野経済研究所 中国美容マーケットニュース

執筆者:浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

Img cat9

化粧品トレンドを読み解くキーワード

執筆者:松本 竜馬

TPCマーケティングリサーチ(株)マーケティングマネージャー

Img cat21

化粧品のリテラシー

執筆者:島田邦男

琉球ボーテ(株) 代表取締役

Img cat10

激変するコスメマーケット

執筆者:鯉渕登志子

(株)フォー・レディー代表取締役

Img cat2

『女心』攻略データベース

執筆者:中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

Img cat

今日から試せる! PR&販促講座

執筆者:松下令子

美容専門PR・販促支援会社 (株)DSプロモーション 代表取締役

Matsushita face

化粧品コンサルタントが教えます 最新・ヒットの法則

執筆者:廣瀬知砂子

女性潮流研究所 所長 / 商品企画コンサルタント

Hirose face

アジア美容リアルレポート

執筆者:沖野真紀

中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役

Img cat11

中国美容リアルレポート

執筆者:沖野真紀

中国女性市場専門調査会社 (株)ブルームス代表取締役

Img cat11

化粧品・日用品業界の商標・ブランド戦略相談室

執筆者:髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

Img cat20

榎戸淳一のエステサロン経営 地域一番店への道

執筆者:榎戸淳一

株式会社ES-ROOTS代表取締役社長、一般社団法人エステティックグランプリ元理事長

Img cat3 1

中国クチコミ分析で探る「美」のツボ

執筆者:森下 智史

株式会社トレンドExpress 「中国トレンドExpress」編集長

%e6%a3%ae%e4%b8%8b%e6%99%ba%e5%8f%b2

アットコスメクチコミトレンド

執筆者:山田メユミ

株式会社アイスタイル 取締役 CQO / コーポレート領域管掌

Img cat1

新日本有限責任監査法人 公認会計士から見た化粧品・トイレタリー業界

執筆者:田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

Img cat7

新日本有限責任監査法人 不正事例に学べ!

執筆者:田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

Img cat7

創業原点を未来へ託す

執筆者:川原慎也

(株)船井総合研究所 東京経営支援本部 部長 グループマネージャー

Img cat8

Eコマースに見る中国化粧品マーケットの今

執筆者:斉晶岩(サイ ショウガン)

LAFASO JAPAN 代表取締役社長

Img cat13

韓国ビューティーマーケット最前線

執筆者:吉田武史

吉田法務事務所代表、日本薬事法務学会理事長

Img cat4

消費動向から斬り込むマーケティング戦略

執筆者:大神賢一郎

産業能率大学総合研究所主席研究員

Img cat6

消費者視点の「買われ方・選ばれ方」

執筆者:野澤 太郎

(株)ネオマーケティング ビューティ&ライフチーム マネージャー

%e3%83%8d%e3%82%aa%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%b1%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0

SNSで売上拡大 コスメ業界の新販促手法

執筆者:岡崎佑紀

(株)ホットリンク ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング部

Img cat26

アクセスランキング

  1. 1位 12月4日 20時00分
    医薬品と指定医薬部外品の違いとは?
  2. 2位 4月17日 15時00分
    【週刊粧業選定】優良化粧品OEM/...
  3. 3位 8月4日 10時00分
    小林製薬、顔に使えるアットノンが若...
  4. 4位 9月27日 12時00分
    岩瀬コスファ、サステナブルなオイル...
  5. 5位 9月27日 15時00分
    コロナ禍で売れたメークアイテム、肌...
  6. 6位 9月10日 10時08分
    サイエンスボーテ・大坂社長、異色の...
  7. 7位 9月27日 11時30分
    阪本薬品工業、全成分植物由来の抗菌...
  8. 8位 9月27日 14時30分
    花王、AIの活用で物流施設の自動化...
  9. 9位 9月27日 11時00分
    一丸ファルコス、サステナブルに配慮...
  10. 10位 9月27日 10時00分
    クローダジャパン、抗酸化効果に優れ...
  1. 1位 12月4日 20時00分
    医薬品と指定医薬部外品の違いとは?
  2. 2位 4月17日 15時00分
    【週刊粧業選定】優良化粧品OEM/...
  3. 3位 8月4日 10時00分
    小林製薬、顔に使えるアットノンが若...
  4. 4位 9月10日 10時08分
    サイエンスボーテ・大坂社長、異色の...
  5. 5位 5月5日 12時00分
    アルビオン、長年使い続けたくなる化...
  6. 6位 9月21日 16時00分
    コーセー、温度応答性のマスカラ素材を開発
  7. 7位 9月21日 15時40分
    資生堂、紫外線による酸化ストレスを...
  8. 8位 9月24日 15時20分
    資生堂、中国がオンライン・オフライ...
  9. 9位 9月22日 16時00分
    ファンケルグループ・アテニア、W1...
  10. 10位 9月22日 12時30分
    資生堂、新たなサプライチェーン拠点...
  1. 1位 8月26日 10時30分
    資生堂、世界初のハイブリッド処方を...
  2. 2位 12月4日 20時00分
    医薬品と指定医薬部外品の違いとは?
  3. 3位 4月17日 15時00分
    【週刊粧業選定】優良化粧品OEM/...
  4. 4位 8月4日 10時00分
    小林製薬、顔に使えるアットノンが若...
  5. 5位 8月27日 12時00分
    資生堂、赤外線が肌に悪影響を与える...
  6. 6位 7月27日 18時30分
    花王、リセッシュ除菌EXが布上のウ...
  7. 7位 9月10日 10時08分
    サイエンスボーテ・大坂社長、異色の...
  8. 8位 8月26日 10時00分
    資生堂、アクアレーベルの新ライン「...
  9. 9位 5月5日 12時00分
    アルビオン、長年使い続けたくなる化...
  10. 10位 8月16日 15時20分
    花王、エッセンシャル新シリーズ新製...

Sub tit market

Sub img market

週刊粧業/C&Tを一部から。今すぐ欲しい!今回だけ欲しい!そんなご要望にお応えし、一部毎にダウンロード販売でご提供致します。

週刊粧業マーケットへ

化粧品業界に従事される皆様のビジネスチャンスをつなぐ製造依頼サイト。優れた化粧品業界のパートナーをすばやく見つけていただくことができます。

くわしくはこちら

マーケティング情報

マーケティング/商品企画/プロモーション担当の企画業務を支援する情報が満載。Power PointのPDF版では記事フローチャートで情報整理しご提供。

お役立ちマーケティング情報ページへ

調査レポート

毎年、週刊粧業が行う調査結果レポート総計をCD-Romにて販売。非常に利用価値が高く、化粧品業界の企業戦略には欠かせない知的コンテンツ。>
有料(1コンテンツ CD-Rom)
50,000円(税込、送料込)~
※Windows版のみ

週刊粧業 消費者調査データの購入はこちら

ネットリサーチ大手、クロス・マーケティングが最新のトレンドをまとめた一般向けには公表していない自主調査レポートを無料でダウンロードできます。

クロス・マーケティング 消費者調査データ(閲覧無料)

カスタマーコミュニケーションズ

全国のドラッグストア、スーパーマーケットの
ID-POSデータから市場トレンドを気軽にチェック。個数ランキング上位10商品の市場シェア(個数)とリピート率をご覧いただけます。

データ

レシートシェアランキングカテゴリ

Sub tit asia

アジア化粧品市場を捉えたアジア進出支援プログラム

アジア化粧品市場を捉えたアジア進出支援プログラムでは、ASEANや北東アジアなどへの進出を考える化粧品メーカーを後押しすべく、様々なコンテンツを用意しています。

ページの先頭へ