【週刊粧業2022年03月14日号13面にて掲載】
新規獲得の効率が悪くなる中、各社既存リストの活用を積極的に行っています。なかでも、休眠してしまったリストをいかに活かすかといったことに余念がありません。
休眠客対応をする際は、リストの層別にフォローをしていくことが大切です。休眠客と一言でいっても、1回し買わず休眠してしまった層もいれば、何回も継続購入した後に休眠した層もいます。その層によってDMやメールの反応率が変わるからです。
特に、過去、多くの回数、継続購入してくれた優良休眠客は商品、会社の事について、理解をしてくれています。休眠した理由も商品が嫌になった、会社のサービスに不満を持ったというよりは、商品が余った、案内が来ないから何となくという理由が多いのが実情です。
化粧品通販会社A社は、過去、多くの回数、継続購入してくれた優良休眠客に、手書きのお手紙を送りました。思い出してもらうことが目的なため、割引などの特典を付けませんでした。
このお手紙を送った結果、12%もの優良休眠が復活してくれたのです。さらに、復活したお客様からのその後のリピート購入もあり費用を掛けずに、売上、利益アップに成功することができました。
化粧品通販会社B社も同様に、優良休眠客に手書きのお手紙を送り、その後にキャンペーンDMを送りました。キャンペーンDMが届く前に、思い出してもらい、DMの反応を上げることが目的でした。実際、お手紙を送った優良休眠客の10%から反応がありました。
キャンペーンDMを送る前に、優良休眠客に思い出してもらうことが、反応率上げることに有効に働くことがわかりました。
化粧品通販会社C社は、未購入期間1年以内で2回以上購入経験のある休眠客に定期的にDMとメールマガジンでキャンペーンの案内をしています。
成果を見ると、当然のことながら、未購入期間が短いお客様からの反応は良いのですが、戻ってきて欲しい、購入回数の多かった優良休眠客からの反応が少ない事に気づきました。
そこで、優良休眠客に絞って、ニュースレターとお手紙、さらに自分達が考える肌理論に関する冊子を送付してみました。
すると、何度もキャンペーン案内を送っても、反応がなかったのに特典がないニュースレターが届いた後、購入へと動いたお客様が出てきたのです。
C社は通販会社の中でも、比較的単価が高く、普段から大きな値引きなどもしないため、優良休眠客は、安いことを理由に購入していたわけではなかったのです。高くても必要だから購入している人の方が多く、その必要性を再度理解させてあげることが必要であることがわかりました。
新規客の獲得が難しくなる中、休眠客リストの活用に目を向けていくことが大切です。休眠客も層別に分けて、各休眠層の状態を想像しながら、取り組みを行ってみてはいかがでしょうか?