【週刊粧業2018年11月19日号4面にて掲載】 第34回の当コラムにおいて、商標の早期審査制度をご紹介いたしました。審査期間を2カ月程度まで短縮できる便利な制度である一方、使用証拠の提出を要するなど、少々ハードルが高い面があるのも確かです。 そんな中、特許庁が商標出願について「ファストトラック審査」を導入することとなりましたので、今回はその概要を紹介したいと思います。 「ファストトラック審...
【週刊粧業2018年10月29日号6面にて掲載】 化粧品・日用品業界はトレンドに左右されやすく、ビジネスのスピードが速いので、競合他社のブランド動向などはすごく興味があるところかと思います。実は、公開情報からその一端を知ることができますので、今回はその方法についてお話ししたいと思います。 そもそも、商標登録出願を行った際、どのくらいでその情報が公開されるかご存知でしょうか。正解は1カ月程度で...
【週刊粧業2018年10月10日号4面にて掲載】 自社や自社商品を象徴するキャッチフレーズ・タグラインを他社に勝手に使われてしまったら問題ですよね。これまで、キャッチフレーズは識別力が無い(自社と他社を区別する標識として機能しない)という理由で、一部の例外を除き商標登録することができませんでした。 しかし、実際にはキャッチフレーズは企業活動上重視され、商標として機能するケースも多々あることか...
【週刊粧業2018年7月23日号6面にて掲載】 ここ最近、商標登録出願の件数が増加しています。2014年までは年間12万件程度で推移していましたが、昨年は19万件超と3年前の1・5倍程度の水準まで増加しています。 この増加はブランド保護意識の高まりとも捉えることができ歓迎すべきことですが、その副作用として、審査期間の長期化の問題が生じています。ほんの1年程度前までは出願から5カ月程度で審査結...
【週刊粧業2018年6月18日号5面にて掲載】 ブランディングを考える上で、キャラクターのもたらしてくれる価値は絶大です。たとえば、商品それ自体としては何の変哲もないお菓子であっても、子供たちに人気のキャラクターをつけるだけで売り上げは大きく変わることとなります。それゆえ、コンテンツホルダーはそれに見合ったライセンスフィーを得ることができるわけですね。 人気のキャラクターのライセンスを受ける...
【週刊粧業2017年5月21日号6面にて掲載】 先日弊所のお客様と電話をしていて、次の新商品について効果的にブランド力を築き上げていくために、どういう商標を使うのが有効かという質問を受けました。 いろんな切り口がありますが、そのときは既存語と造語のどちらがよいかという論点で説明しました。新商標考案の一助になるかと思いますので、その観点から考え方を整理・ご紹介したいと思います。 既存語を商標と...
【週刊粧業2018年4月23日号11面にて掲載】 ちょうど3年ほど前、商標業界では「音」や「色彩のみ」、「動き」などの商標が登録できるようになる画期的な法改正が行われ話題になりました。 しかし、昨年9月の段階で、色彩のみの商標は出願509件に対して登録が2件のみ、音の商標は出願566件に対して登録が172件あるもののその中で音のみの商標は3件のみといった状況で、登録へのハードルが高いことが窺...
【週刊粧業2018年3月26日号5面にて掲載】 オンライン・インターネットでの販売はどの企業様にとっても極めて重要なチャネルとなってきているものと思われます。その一方で、インターネットでは模倣品や偽ブランド品なども簡単に販売できてしまうため問題視されており、近年では中国のECサイトから模倣品を入手して転売するといった手口も増えてきているようです。そこで、今回はインターネット上の模倣品への基本...
【週刊粧業2018年2月19日号6面にて掲載】 貴社商品「XYZ」がヒットしたとしましょう。売り上げも順調なので、「XYZ 〇〇」という派生ブランドを作ることにしました。 商品名「XYZ」に関しては商標登録してあるから、派生ブランドについての商標登録は不要でしょうか。それとも、必要でしょうか。 今回はそのあたりのお話をしたいと思います。 大原則としては、登録商標と使用する商標は同一であるのが...
【週刊粧業2018年1月29日号14面にて掲載】 語感、商品への思い入れ、マーケティング的要素……さまざまな要素を考慮して商標を決定していただき、弊所にご相談いただくわけですが、中には商標調査の結果、類似だと思われる先行商標が見つかってしまう場合もあります。 ご存知のとおり商標は早い者勝ちが原則ですので、企業様はここで難しい判断に迫られるわけです。せっかく一生懸命考えた商標を変更する、特に、...
【週刊粧業2017年11月20日号5面にて掲載】 弊所では日本企業が外国へ進出するパターンのほか、外国企業が日本へ進出するパターンのお手伝いもしておりますが、どちらのパターンにおいても「日本ブランド」であることを意識し、ブランディング上重要視している企業様が少なくありません。その重視の理由は複層的で一つではありませんが、一定の傾向が見えてきて面白く感じています。 たとえば、日本企業のクライア...
【週刊粧業2017年10月16日号5面にて掲載】 商標は目に見えない権利ということもあって、なかなか馴染みがないという方がほとんどです。 そういった知識の無さにつけこんで、だまそうとしてくる人や業者も少なからず存在します。 今回は、どのような手口でだまそうとしてくるかの代表例をご紹介することで、そのような事態を回避するヒントになればと思います。 まずは、最近メディアでも話題になっている他社商...
【週刊粧業2017年9月18日号5面にて掲載】 「人は見た目が9割」なんていう本が話題になったことがありました。たしかに、スーツをカッチリ着こなしていれば真面目で仕事がデキる印象を与えることができるでしょうし、逆に着崩していたりダボダボだったりすると性格についてもルーズという印象を与えるかもしれません。 こうした見た目・外観の重要性は、私の専門である商品デザインや商標の分野についても同じこと...
【週刊粧業2017年8月21日号10面にて掲載】 私は、商標登録出願の代理をするだけでなく、ブランド戦略についてもさまざまな相談に乗っています。 今回は、主にブランド展開の観点から化粧品業界における代表的なブランディング戦略をご紹介すると共に、それを裏側で支える商標のお話などもご紹介したいと思います。 一口にブランドと言っても、名前をつけて商標登録すればそれで終わりといったわけもなく、マーケ...
【週刊粧業2017年7月24日号5面にて掲載】 皆さん最初は何か理由があって商標権を取得されるわけですが、登録後はあまり意識されない場合も多いのではないでしょうか。しかし、放置しておくといろいろと問題が発生してくることがあります。今回は、商標登録後に必要なメンテナンスについての代表的な注意点を3つほどご紹介したいと思います。 1つ目は期限管理・更新です。商標登録は基本的には10年に1回更新を...
【週刊粧業2017年6月19日号4面にて掲載】 日本においても外国においても新規取引先開拓の場・販路拡大の場として重宝されているのが展示会です。今回は商標の観点を中心として展示会において気をつけておきたいポイントを3つほどご紹介したいと思います。 1つ目は、なんといっても冒認商標(第三者による商標の盗み取り)の問題です。展示会は会社・商品のアピールの場ですから、当然商品のロゴマークや会社のハ...
【週刊粧業2017年5月22日号12面にて掲載】 化粧品関係企業が海外進出するにあたっては進出国における商標登録が必須となりますが、そんな企業様にとって要注目の助成金制度「中小企業等外国出願支援事業」があるのはご存知でしょうか。審査に通れば助成を受けられるわけですからお得な制度であるのは事実ですが、実はその落とし穴もたくさんあります。 今回は、落とし穴の部分をご説明して、皆様が効果的に利用す...
【週刊粧業2017年4月24日号12面にて掲載】 ある日突然、内容証明郵便で警告書が届き、自社の人気商品について商標の使用を止めるよう要求されたらどうしますか? 警告書の話はなかなか表に出てこないので自社とは縁遠いと感じている企業様も多いかもしれません。しかし、商標権者としては自社のブランドを守るべく少なからぬ費用をかけて権利を取得していますので、侵害者を発見した以上は使用を止めさせたいと思...
【週刊粧業2017年3月20日号6面にて掲載】 「商標は時代を映す鏡」と言われることがあります。商標はブランディング上の重要な要素ですから、各企業共に時代の波に乗ろうということで試行錯誤を行う結果、時代を反映したロゴマークやフォント等が用いられるわけです。 化粧品業界において有名な例が花王のロゴマークの変遷です。当初のロゴは月の顔のデザインがリアリティのあるもので現代の感覚からすると怖い印象...
【週刊粧業2017年2月20日号11面にて掲載】 商標弁理士という仕事柄、時折「この業界特有の出願テクニックはありますか」などと聞かれることがあります。実際、業界ごとにビジネスの性質・お客様の層などに一定の傾向があり、日々の経験を通してそれが出願テクニックに反映される面はございます。そこで、今回は化粧品・日用品業界における商標出願のテクニックの一部をお伝えいたします。 まずは、ストック商標戦...
【週刊粧業2017年1月30日号6面にて掲載】 昨年もさまざまな語が流行しましたね。化粧品業界においても毎年次々と新しい語が出てきて、時には流行語となって化粧品業界のマーケティングの場を席巻します。そのような流行語を独占的に使えたら、それは強力なマーケティング上の武器になりますよね。実は、そのような観点からメイク法やコンセプトについてのワードを積極的に商標登録する企業様も多々いらっしゃいます...
【週刊粧業2016年11月21日号5面にて掲載】 ブランドとブランドを掛け合わせることで互いのブランド力を強化していくコラボレーションの試みが頻繁に見られるようになりました。よいパートナーさえ見つかればブランディングの観点からは基本的に好ましい試みであると言えますが、商標法の観点からチェックしなくてはならないポイントもございます。 今回は、いくつかのコラボのスタイルを取り上げて、商標の観点か...
【週刊粧業2016年10月17日号5面にて掲載】 日本企業にとって、東南アジアは今後の成長エンジンとして期待されています。これまでは経済成長途上にあり、かつ、文化や法制度の壁もあり期待通りの結果がなかなか出ていないと感じておられる企業も多かったようですが、化粧品・トイレタリー市場の規模は年々着実に拡大してきているほか、法制度の整備を通して進出の壁も取り払われてきています。 私が専門とする商標...
【週刊粧業2016年9月19日号6面にて掲載】 少し前になりますが、コーセーが台湾で「薬用雪肌精」の容器についての立体商標登録を取得したというニュースが話題になりました。同社は日本においても立体商標登録を有していますが、実は台湾で立体商標を取得できたことに大きな意味があるんです。 今回は、この事例を紹介しながら、立体商標の概要と取得戦略についてお話しいたします。 そもそも立体商標制度とは、文...
【週刊粧業2016年8月22日号5面にて掲載】 ここ数年化粧品・日用品業界を席巻した「爆買い」と「インバウンド消費」でしたが、商品がよく売れるという前向きなインパクトがある一方で、日本市場においては品切れが発生して日本の消費者の手元に十分な量が行き渡らないという問題が発生していましたし、中国市場では模倣品問題が発生していました。 そんなデメリットを解消すべく、このところ化粧品・日用品業界にお...
【週刊粧業2016年7月25日号6面にて掲載】 インターネットが世の中に浸透するまでは、化粧品業界もテレビCMなどマスメディアの力を利用できる大企業が圧勝していたように思います。 しかし、インターネットの登場後は、資本力に乏しい企業でもマーケティングのやり方次第でクチコミを巻き起こせるようになりましたし、それが評判サイトを通して一気に広がっていくようになりました。時代はまさに化粧品戦国時代と...
【週刊粧業2016年6月20日号5面にて掲載】 今回はブランド戦略という観点から、膨大な数の海外バイヤーのネットワークを有している海外進出支援企業のCOUXU㈱より共有していただいた化粧品に関するマーケティング事例を皆さんと共有したいと思います。 今回の事例における販売地域は、なんとミャンマーです。私の専門である商標という観点から言うと、ミャンマーでは驚くことに未だ商標法すら整備されておらず...
【週刊粧業2016年5月23日号6面にて掲載】 商標権は、商標(マーク)と指定商品・役務(商品やサービス)という二つの要素によって権利範囲が決まってきます。この指定商品・役務というのが曲者で、ちょっと調べたくらいだと適切な権利範囲を確保することができないので専門性が必要となるところでもあり、我々弁理士の腕の見せ所であるとも言われてます。 一例を見てみましょう。通常、化粧品関係の商品を取り扱っ...
【週刊粧業2016年4月25日号5面にて掲載】 一般に、商標は世相を反映すると言われています。その理由としては、企業の皆様が消費者の方々に響くネーミングを採択したいと考える結果、業界のトレンドに沿ったネーミングを採択するケースが多くなるためです。 今回のコラムは、その傾向を踏まえて、最近登録になった商標から化粧品業界のトレンドを探ってみたいと思います。具体的には、化粧品と同一又は類似の商品を...
【週刊粧業2016年3月21日号5面にて掲載】 今回のコラムは、特に中小の化粧品・日用品メーカーに知っていただきたい内容です。 さて、読者の皆様は新しい商品名を決定する際に商標調査をなさっていますでしょうか? うちは小さい企業だから商標まで気にする必要はないとか、売れてから考えればいいなどと言って済ましてしまっていないでしょうか? そのような安易な判断は、実は大きな事業運営上のリスクにつなが...
髙橋 伸也
フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士
早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。
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