2019年訪販化粧品業界、つながりを求める時代が追い風に

訪販各社は、職業としての販売員の魅力や活動意欲を高める教育制度の充実・見直しを推進しながら、新たな顧客との接点拡大や愛用者増大に向けた組織づくりを進めている。
人を介したサービスを機軸にする訪販業界にとっては、在宅率の低下とともに、販売員(ディストリビューター)の獲得も喫緊かつ今後ますます重要な課題となっている。
2018年下期訪販化粧品の最新動向、接客品質高め成長軌道へ

既報の通り、2016年度は訪問販売売上高が1兆7194億円(前年比が0.41%増)となり、ごくわずかな伸び幅ながら2013年度以来の上昇に転じたと公益社団法人日本訪問販売協会が報告している。
将来性でも鈴木会長は「インターネットの台頭により『早くて便利』が宣伝されて久しい中で、『人と人のつながり』を基軸にする訪販チャネルにしかできない価値提供により、新たな展望が描けるのではないか」と述べ、先行きに灯りをともした。
2017年 訪販化粧品、人を介した販売方法の魅力に見直し機運

2016年後半辺りから、温もりに乏しい「網」による伝達に天井を感じたのか否か、対面による販売や製品訴求を見直す機運が見え始めた。
復活や再生から目線を転じ、化粧品訪問販売が向かっていく新しい境地を探し出してみたい。
2016年訪販売上高、3年ぶりに上昇基調へ
訪問販売売上高が3期ぶりで上昇に転じている。公益社団法人 日本訪問販協会が公表しているデータによると、2016年度売上高は1兆7194億円(前年度比0.41%増)と2013年度以来3年ぶりのプラス成長を果たした。
推計の初年度1979年に9300億円だった訪販売上は、その後1996年に3兆3400億円となって「頂点」を記録し、以降は16年連続で下降したのち2013年にいったん息を吹き返したものの、2014~2015年はまたもや連続の落ち込みとなっていた。
ポーラ

ポーラの2017年12月期は、シワ改善美容液「リンクルショット メディカル セラム」による新客の獲得に加え、訪日者数の増加を背景にしたインバウンド需要の盛り上がりなどにより、売上高が1440億1200万円(前期比24.0%増)、営業利益が285億8400万円(同68.2%増)となった。
同社では、2ケタの増収増益を記録した前期の好業績にうかれることなく、「今期は基盤づくりを進め、お客様とビューティーディレクター(BD)が長くつながる仕組みをつくっていくことが重要」(及川美紀取締役執行役員)と捉えている。