多機能・時短コスメというと、一般的にはオールインワンジェルを思い起こす人が多いかもしれない。しかし実際にこの路線をたどっていくと、予想以上に裾野が広いことがわかる。
カネボウ化粧品は、美容液、化粧下地、ファンデーションの機能を持つベースメーク「カラーメインテナイザー」(写真)が好調に推移している。
ブルーベル・ジャパンでは、2017年4月にリニューアル発売した「プロディジューオイル」(写真)が「ニュクス」のエントリーアイテムとして人気を博し、好調に推移している。ゴールドパールが輝きをもたらす「プロディジューゴールドオイル」も好評だ。
エテュセでは、パウダーチップタイプの「チップオンアイブロー」(写真)が、ふんわり眉が1本で描ける時短アイテムとして累計販売数で42万個を突破した。
アユーラでは、あらゆるストレスに「負けない肌」をつくるブランドとして2017年にリブランディングを開始、その第1弾として同年9月に発売した多機能美容液「アユーラリズムコンセントレート」(写真)が生産が追いつかないほどの人気だ。新客の指名買いも多い。
ユーグレナでは2016年5月に発売した「oneオールインワンクリーム」(写真)が、化粧品の主力商品として人気を博している。
マーナーコスメチックスは、美白ボディケア「ホワイトコンク」シリーズからボディ用ホワイトCCクリームを2017年春に発売し、首・デコルテや手脚など顔以外に肌を露出する部位の美白ケアニーズを掘り起こすことで美白市場の裾野を広げている。
コスメブランド「フジコ」が展開するヘアパウダー「同ポンポン パウダー」(8.5g1650円)が、頭皮や髪をケアしながらスタイリングできる新感覚のアイテムとしてクチコミで話題を呼び、2017年春の発売から1年で累計販売50万個を突破した。
化粧品を中心とした通信販売事業を展開しているフェヴリナは、先ごろスキンケア製品の新ブランド「アクアビジュ」から2層式オイルとジェルクリームを発売し、「時短エイシングケア」と掲げて愛用者獲得に乗り出している。
湘南美容クリニックと共同開発した化粧品・健康食品などの販売を行うシーオーメディカルは2017年2月、目が大きく見える平行型二重を自然に作る専用テープ「湘南美容アイリッドテープ」(84枚入1200円、写真)を発売した。
青汁や健食の単品通販で売上を伸ばしてきた世田谷自然食品が、10年間近く鳴かず飛ばずだった独自化粧品「SEAC」で2017年6月期に浮上の胎動をつかむと、今期は加速がついて広告費と粗利の収支が採算ベースに乗ったことを明らかにしている。
多機能・時短コスメというと、一般的にはオールインワンジェルを思い起こす人が多いかもしれない。しかし実際にこの路線をたどっていくと、予想以上に裾野が広いことがわかる。多機能コスメは複数アイテムの役割を兼ねたオールインワン型と、いくつもの効能・効果を訴求したトータルケア型に大別される。多機能は永遠のテーマであり、化粧品の時短路線も世相を反映したものとして、しばらくニーズは続きそうだ。今特集では、関連企業10社(カネボウ化粧品、エテュセ、ブルーベル・ジャパン、アユーラ、ユーグレナ、かならぼ、マーナーコスメチックス、フェヴリナ、シーオーメディカル、世田谷自然食品)を取材した。
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