ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

18C&T 2019-10特集選べる「環境対応チューブ」シリーズ専用キャップもバイオプラ化へ大和製罐環境に配慮する生活が面倒なことだと思い、エコ化が広がらなくなる可能性もある。化粧品でいえば、美しくなれることが本質的な価値であり、消費者はそれを期待して商品を選び、購入する。消費者の立場に立てば、キレイになりたいから使う化粧品で、あまりに環境やエコが強調されてしまうと、かえって化粧品としての本質を見失い、価値を下げる可能性もある。当社の『環境対応チューブ』の良い所は、着色や加飾、使用感といった従来の製品価値を維持したまま、環境にも対応できることにある」 環境対応チューブを採用した企業からもスムーズに石油系プラスチックチューブから切り換えできる特徴が評価されているという。 これまで同社は、環境対応型容器に関する問い合わせがあった際に紹介する程度だったが、世界規模での環境問題への取り組みに化粧品業界の動きも活発になり、同社へも「この1~2年で問い合わせ件数が急に増えている」ことから、顧客の商品企画に合わせて「選べる環境対応チューブ」シリーズとして提案を強化していく考えで、熱海氏は環境への意識が高まる社会の消費行動や、今後求められる容器を展望する。 「環境にやさしい容器であることは、化粧品のプ 大和製罐(だいわせいかん)は、数多くの化粧品チューブシリーズを展開する中で、2013年より植物(サトウキビ)由来のバイオプラスチックを使用した「環境対応チューブ」シリーズを品揃えし、顧客の要望・ニーズに合わせて紹介を進めている。 「環境対応チューブ」シリーズは、石油系プラスチックにバイオプラスチックを配合しながら、従来のプラスチックチューブ性能と同等レベルの品質を維持する。飲食料容器と異なり、化粧品は家庭での使用・保管期間が長いことを踏まえ、石油系プラとバイオプラの配合バランスや製造技術を細かく調整した。耐久性(バリア性)や着色・加工などの表現デザイン性もそのままに、CO?削減に貢献できる環境対応製品に変更できる。 これまでは洗顔料など洗浄系アイテムを中心に引き合いが増えている。商品回転率が高くロットの大きな製品からエコ化が進んでいるが、中小企業など多様な製品ニーズにも対応できるよう、3000本からの小ロットに対応している。 営業戦略室の熱海(あつみ)恵美子氏は「2010年頃から、社内で環境対応型容器の問い合わせが増えていることがわかり、時代ニーズへの対応として開発をスタートした」と振り返る。開発では、「従来のプラスチックチューブと同水準の性能や加飾性を実現することには強くこだわって取り組んだ」と言い、その理由を語った。 「環境への取り組みは継続性が重要になってくる。昨今はプラスチックが悪者のような扱いになっているが、プラスチックのおかげで私たちの生活は豊かになった。プラスチックで得た便利さを手放すことは難しい。また、環境に貢献するために、製品の目的や用途といった本質的な価値を削いだり、内容物の処方変更を強いられたりすると、むしろ製品価値を低下させる可能性もある。そうなると消費者は、環境対応チューブ