ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

22C&T 2019-10特集環境に配慮したバイオポリエチレン容器を拡充植物度の高いエアレス・ジャー容器に注力吉田硝子 デラコスメシリーズの容器は、複数の異なる樹脂層の重なりで構成され、従来のエアレス容器に比べ、より高いガスバリア性を保持して内容物の酸化や劣化を防ぎ、品質を保つことができるという。また、ディスペンサーをプッシュするたびに内層が外層から剥離(層間剥離)して萎んでいく構造になっているため、容器内に空気が入ることなく、内容物が空気に接触するのを防ぐ。 「植物由来の素材を使用し、さらに機能性にも優れたエアレス容器はデラコスメシリーズ以外にはないと自負している。受注生産により、従来のポリエチレン容器をバイオマス容器に切り替えることも可能だ」(吉田眞子副社長) ガラス瓶に関しては、60種類に及ぶ規格型の中でも30cc容量の小瓶タイプとスポイトキャップ付ガラス容器への引き合いが近年、高まっているという。環境に配慮した容器づくりでは今後、バイオポリエチレン製ジャー容器の規格品を新たに導入する。 「現在はインジェクション成型のバイオポリエチレン製ジャー容器の企画開発を進めているほか、廃棄プラスチックを利用した再生材料のうち、ポストコンシューマ材を積層構造により成型した容器の企画にも取り組んでいる」(唐木常務) ガラス瓶とプラスチック容器の総合メーカーである吉田硝子は、約20年前から環境に配慮した容器づくりに取り組んでいる。 プラスチック容器に関しては、2006年に生分解性プラスチックを使用した代替容器の開発に着手したが、「生分解性プラスチック容器は当時、価格面と内容物の品質保持といった点で課題があり、商品化できない状況だった」(唐木茂行常務)ため、焼却処分における二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できる植物由来バイオポリエチレン容器の開発へとシフトしていった。 そして、2012年にはサトウキビ由来のバイオポリエチレンボトル「BYシリーズ」「YPHシリーズ」を規格品容器として導入した。 バイオポリエチレンボトルは、サトウキビの搾り汁から砂糖を取り出した後の残液(廃糖蜜)を発酵させてバイオエタノールを作り、そこから取り出したエチレンを基礎原料としている。プラスチック成型材料に含まれる植物由来樹脂の割合(植物度)が96%であることから、従来の石油由来樹脂ボトルと比較した場合、焼却処分におけるCO2排出量が70%強も削減できるという。 2018年6月には、外層ポリカーボネートの38 ~ 40%が植物由来で、容器全体における植物度が20~ 30%のバイオマスプラスチック製エアレス容器「デラコスメシリーズ」の販植物由来のバイオマスプラスチック容器 売を開始した。リサイクル可能なガラス容器が再注目