ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

脱プラ・減プラの実現へC&T 2019-10 23重量感・肉厚感にこだわり樹脂量削減化を推進バイオ樹脂の切り換えから、紙容器、ガラス瓶も石堂硝子といった依頼が徐々に増え、実際に採用されている。パウチ容器への切り替えで、ゴミの減量化につながる取り組みは着実に進んでいる」と述べ、こう続けた。 「昨今話題となっているマイクロプラスチック問題なども、地球温暖化とともに環境という大きな枠組みで捉えると、化粧品容器として最適な素材と言い切れるものがないのが実情である。バイオ樹脂など環境対応型容器に関する情報提供や、それらを使用して品質試験を行いたいといった要望には対応してきたが、容器会社から従来のプラ容器に代わる環境対応型を推すことは正直、難しい」 そこで同社は、環境対応ニーズに対して企画提案できる体制づくりを進め、昨年には底部分を肉厚にした重厚感のあるスキンケア容器シリーズの樹脂量を減らすことに成功し、販売を開始した。 「重厚感のある容器シリーズはラグジュアリーな印象を与えるため、様々なブランドに採用されている。環境対応型を提案する上で、課題だったのがビジュアルだった。今回、従来容器のような高級感をもたらす見た目を維持しつつ、樹脂量を減らして軽量化することに成功した。他のシリーズでも樹脂量削減化を進め、様々なニーズや要望に応えられる体制基盤を強固にしていく」(浅野専務) また、昨今はガラス瓶の引き合いも増えてきているという。環境対応というより、レトロ・昭和ブームの流れからくるマーケティングの側面から選ばれているようだが、「ガラス瓶の素材としての魅力や性質についても改めて紹介していきたい」と話す。 化粧品容器メーカーの石堂硝子は、2009年に植物由来樹脂を使ったバイオPETやバイオPEへの切り替え可能な体制を整え、顧客ニーズに合った形で紹介を進めている。 浅野圭司専務は「化粧品容器もゴミとして廃棄される以上、環境への配慮が欠かせない。企業の姿勢として示すのに、これからますます重要な分野になると捉え、環境対応型容器の開発を進めた」と当時を振り返る。 バイオPETやバイオPEへの切り替え対応のほか、紙を51%以上使用したパウダーファンデーション用の容器なども開発し、従来のプラスチック製容器に代わる次世代型容器として、化粧品・美容関連の展示会などでも紹介してきた。 販売を開始した当時は「バイオ樹脂を中心に今よりも環境対応型容器に対する顧客の関心度は高かった」というが、対応可能なロット数やコストなどの面から最終製品化につながるケースは稀だったという。 バイオ樹脂容器が認知されつつも実績につながりにくい一方で、シャンプーやボディソープ、ハンドソープなどを中心にゴミの減量化につながるパウチ容器は市場に浸透した。 浅野専務は「パウチタイプは、ボトル容器に比べてプラスチック使用量が少なくすむため、近年はスキンケア分野にも広がりを見せている。洗顔料など洗浄系アイテムを中心に本製品に自立型パウチ容器を使用したい従来の肉厚感を維持し樹脂量カットを実現ガラスびんも時代ニーズに合わせて提案