ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

24C&T 2019-10特集軽量化など新時代に対応するガラスびん普及へ容器商社として折衝力を強化し相互発展目指す大阪硝子 ガラスびんや樹脂容器を中心に包装資材の製造・販売事業でISO9001 / ISO14001認証を取得する大阪硝子は、高い品質と安全性が求められる医薬品ガラス容器を主に、その経験とノウハウを活かして化粧品・トイレタリー、食品分野にも顧客を拡げている。 昨今の環境対応の新潮流に対して、新名和也社長は、環境に配慮した樹脂容器も増えており、顧客ニーズに合わせて提案していくと述べた上で、「使い終わった容器の回収から再利用化までの資源循環の仕組みがしっかりと確立されたガラスびんの魅力を医薬品以外の分野にも改めて伝えていきたい」と話す。 化粧品分野の主要容器は、利便性や携帯性などの観点から、ガラスから樹脂へと移ったが、中身の品質保持性に加え、素材特有の透明感や重厚感がブランドのイメージや品格を高めるといった付加価値性から、ガラスびんを採用し続けているブランドは少なくない。 包装資材の中でもガラスは再利用に優れている。容器包装リサイクル法が義務づけられたことで、ガラスびんの回収率は8~9割に上がっており、省資源化に貢献している素材として、化粧品分野でも再注目されている。 同社では、顧客ニーズの先取り対応として「製造容易性やデザイン性を考慮しながら、ガラスびんの軽量化を進めている」。多品種・小ロットが中心の化粧品分野への提案では、金型製作の初期投資にかかるコストや在庫の適応性などハードルが高い一面もあるが、環境対応を切り口に提案を強化していく考えだ。 一方で、昨今の環境問題は、消費者が商品を「使用した後」の環境に与える影響にフォーカスされている節がある。新名社長は、企業活動としての環境への取り組みでは「最終製品として市場に出ていくまでに廃棄されているガラスや樹脂(工場内廃棄物)の削減化にも目を向ける必要がある」と述べ、「使用される前」の環境負荷軽減に取り組む姿勢を示す。日本品質と環境負荷軽減の両立へ薬びんで培ったノウハウ活かす 化粧品に限らず、国内の様々な産業が、高い品質基準を維持することで、日本製として世界的な評価を高め、発展・成長してきた。しかし、一方で工場内廃棄物は、過剰品質が一因とも言われている。世界規模で環境問題に取り組もうとする新たな潮流では、プラス面だけでなく、マイナスな面にはたらく可能性もある環境的な側面から品質基準を見直すといったこともこれからは検討していく必要があるかもしれない。 新名社長は「当社の主軸である医薬品向けのガラス容器では、人命にかかわる領域でもあることから、社内で厳しい品質基準を設けている。その品質第一の考え方が当社の事業基盤であり、今後も変わることはない」と述べた上で、今後の展望を語った。 「だが、高い品質を維持できれば、それ以外のことは二の次でいいという考え方は通用しなくなっている。今、時代が要求しているのは、高い品質の維持と環境負荷の軽減の両立である。当社のような容器専門商社の役割は、容器製造会社の意向と医薬品・化粧品などの製造販売会社の意向をそれぞれ汲み取りながら、お互いにメリットのある状況へと導くことである。環境への取り組みについても同様の考え方で、専門商社としての機能を活かし、当社とかかわる企業を巻き込みながら、環境対応に取り組み、業界の発展に貢献していきたい」