ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

26C&T 2019-10特集石油由来樹脂と同等の性能を有する100%植物由の生分解性プラスチックを展開バイオワークス実現している唯一の製品だと自負している」(営業担当 三宅禎輝氏) Plaxを含むポリ乳酸は、加水分解で分子量が縮小した後、バクテリアのエサになり、水と二酸化炭素で分解される仕組みになっている。迅速な加水分解には一定の条件を有し、条件が整わない環境下では10年以上の年月を必要とする場合もあるという。 そこで同社は、プラスチックの供給のみならず、処理までのサービスを提供することを視野に入れ、「ゴミゼロミッション」として一定の条件を揃えたコンポストの製造を進めている。今夏にデモ機の試作を行い、来年や再来年の展開を目指していく方針だ。 「生分解性プラスチックはコストがかかるが、国内でもプラスチックへの規制が厳しくなっていくことを考慮し、各企業は導入を検討していく必要がある。化粧品においては、日用品と比較し定価が高い分、導入への障壁が下がると考えている。ポリ乳酸に混ぜ合わせる添加剤をオーダーメイドでつくる我々の技術をもって、お客様が抱える課題の解決に尽力していきたい」(三宅氏) バイオワークスは、植物由来100%の生分解性プラスチック「Plax」の生産事業を開始している。現在、多くの企業と共同で製品開発を進めており、来年の春ごろにかけて各商品の量産体制を整備していく。 環境省は昨年10月、プラスチック資源循環戦略として2030年までに約200万トンのバイオマスプラスチックを導入するという目標を掲げたが、その遂行は困難を極めると推測される。十数年前より各企業がトウモロコシなどを原料とする植物由来100%のポリ乳酸の開発に着手してきた一方で、成形性が悪いといった課題が多く、一部の活用に留まっているのが現状だ。 そのような状況下で、2006年より様々な企業の出資を受けながら生分解性プラスチックの研究を続けてきた前身企業のバイオベースは、研究成果を事業化すべく、2015年にバイオワークスとしてスタートを切った。経済界主催の「金の卵発掘プロジェクト」で特別賞を受賞するなど、バイオワークスの研究開発は高く評価されている。 同社は、欧米から仕入れたポリ乳酸に、独自で開発した植物由来の添加剤を混ぜ合わせることで、石油由来の樹脂同等の性能を持った100%植物由来のプラスチック「Plax」の製造を実現している。 Plaxは、140℃まで耐熱可能で、ポリ乳酸と比べ柔軟性が2倍、耐衝撃性が10倍に向上している。また、金型温度を従来120℃に設定していたところを60 ~ 90℃に低減が可能になったほか、白濁することなく透明性を保って製造できるなど、植物由来100%の樹脂として性能が格段に改善されたという。 「バイオマスマークやグリーンプラマークなど国内の環境ラベルを付与された製品は、コスト・成形の問題から、ほとんどのものが石油由来の樹脂や生分解成分を含んでいた。Plaxは、商業ベースで100%植物由来かつ生分解性のバイオマスプラスチックを植物由来100% の生分解性プラスチック