ブックタイトル化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

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概要

化粧品・トイレタリーの専門誌C&T|2019.10(季刊No.181号)

脱プラ・減プラの実現へC&T 2019-10 11と述べ、「さらに品質が劣化しないことが素材としての魅力であり、ガラスびんメーカーは自主的に、ガラスびんの軽量化やカレット(ガラス屑)の利用比率向上などを進めている」と話す。再生ガラスを90%以上使用したエコロジーボトル、さらに無色・茶色以外の「その他色カレット」を利用したスーパーエコロジーボトルの普及率も徐々に高まってきており、「化粧品分野への普及も考えていきたい」と意気込む。 同協会では、保存容器として優れているガラスびんの理解を深めるため、生活者がガラスびんに接する機会や場の創出に向けた活動にも力を注いでいる。 今年は、6月19日から7月3日まで、東京・渋谷で新旧ガラスびんを展示しながらガラスびんの歴史や使い方を楽しく学べる「ガラスびんテージハウス」を開催し、20 ~ 40代女性を中心に約1000名が来場したという。来場者の8割以上が女性を占めるという女性の関心度の高さとともに「3割が情報拡散されたSNSやクチコミを見て来てくれた」ことにイベントの手応え感を掴み、吉永氏は笑顔を見せる。来場者アンケートでは「これからも使いたい」(33.9%)が、「使える機会が少ない」(24.4%)という現状の課題も見え、「引きつづき、ガラスに触れる機会や場所を増やし、使い方や楽しみ方を伝えていく」と意気込む。 また、8月29・30日には東京・青山でガラスびんマーケットフェア「Life With Bottles」を開催し、約150種のガラスびんの展示・販売を行った(写真)。プラスチック製品を識別表示する「グリーンプラ」マーク、バイオマスプラスチックを識別表示する「バイオマスプラ」認証も行っている。認証マークによって環境配慮型の容器であることを伝えやすくなった。横尾氏は、認証マークによって異なる素材であることが明確化したが、「いまだに混合される場合がある。それぞれの特徴・機能を理解しておく必要がある」と述べ、使用した後、廃棄ごみとして処理される方法も国や地域によって異なっていると話を続けた。 環境対応が先行する欧米を中心に世界的には、生分解性プラスチックへの代替気運が高まっている。 欧米は埋め立て処分が多い国もあるため、生分解性機能を活かせるが、日本国内は焼却処分が主であることに加え、プラスチック回収率は世界的にも高い。反対にゴミを堆肥に代えるコンポスト施設が整っていないため、「生分解性プラスチックを他のプラスチックと一緒に回収・焼却した場合、生分解性機能は意味をなさない」(横尾氏)。 日本では、農業用のマルチフィルムなど、一次産業を中心に使った後の回収が難しいとされるものに、生分解性プラスチックが使われているという。一方で、生分解性プラスチックは、耐久性の問題から、長期間の在庫が難しく、品質保証の面で課題が残る。そうした特徴を踏まえた上で、横尾氏は「食品や日用品など一般ゴミとして廃棄する容器では、処分システムやプラスチックの高回収率などからもバイオマスプラスチックを使用する動きが、具体化するのではないか」との見解を示す。循環型資源としてガラスが再評価若者には新鮮さも与え関心高まる 環境配慮型プラスチックの使用量を増やし、石油系プラスチックの使用量を減らそうという動きと併せて、循環型社会の構築に適した素材としてガラスの再評価が高まっている。 日本ガラスびん協会の吉永茂樹専務理事は「資源の循環性という観点では、ガラスは究極のエコ素材」ガラスびんマーケットフェア「Life With Bottles」の様子