ブックタイトル週刊粧業2019年4月8日号

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概要

週刊粧業2019年4月8日号

第3155号 (第3種郵便物認可) 週  刊  粧  業 2019年(平成31年)4月8日(4) 戦略ブランド事業部マネージャーの斉藤篤志氏は、「2018年のリブランディング以降、百貨店9店で展開してきたが、新しく生まれ変わった『アウェイク』の特長をうまく伝えきれていなかったことから、今回、制約に捉われることなく、デジタルでは伝えることが難しい五感に訴えるコミュニケーションを展開していくべく直営店をオープンした。直営店では、スタジオ機能を活かして季節毎にイベントを行ったり、『ホリスティックビューティ』という考え方や美しくなるための情報を積極的に発信していく。これにより、まだ出会えていない20~30代女性との接点拡大を図っていく」と語った。 直営店のコンセプトは「Studio & Kitchen」。店舗の中心にアイランドキッチンのような大きなカウンターを設置しており、アットホームな空間で楽しく商品を体験することができる。 アウェイクのシンボリックアイテムであるオイル状美容液「ショット」を中心にナビゲーターがお客1人ひとりと会話しながら、パーソナルレシピを一緒につくり上げる。レシピ提案時には、華やかに彩られたカウンターしたECに特化したブランドで、キレイの基礎力ある肌へと導くスキンケア&ボディケアを配置。デジタルネイティブなミレニアル世代の生活行動に対応し、情報収集から認知、購買までの全てをスマートフォンの中で完結する「スマホファースト」型マーケティングを展開している。 今回の仕様変更では、商品評価の高い中味はそのままに、生活者の「公私ともに忙しく配達時に不在なことが多い」「自宅にいるときでも受け取りのわずらわしさがある」等の声を受けて、配送時の厚みが30㎜以下で、配達時に自宅ポストへ投函が可能となるサイズのパッケージへ進化する。 また、環境にも配慮したビジネスモデルを推進すべく、つめかえ用の空ボトル(3色、ノープリントプライス)を新たに配置。自身の好みや気分に合わせて選んだ空ボトルに、つめかえタイプの化粧水、ボディローションを合わせることで、ドリンクのマイボトルのように長く愛用してもらうことを実現した。さらに、使うことで気持ちがあがるよう、シンプルなパッケージフォルムに、自然由来の中味成分をアイコン化した小さなモチーフのアクセントとロゴのみのデザインへと進化させた。で自身の肌状態について、丁寧なカウンセリングを受けることができる。 オープニング期間限定(3月21日)で、春を彩ている。しかしながら、直営店のオープンにより、未達分を一気に取り戻そうと考えている。 ――直営店をオープンした狙いは。 斉藤 実行しようとしていることをすぐに実行に移すことができるのが直営店の強みだ。 昨年2月のリブランディング以降、いろいろな制約がある中で試行錯誤を繰り返してきたが、よりスピーディーにより大胆に軌道修正を図っていく。 百貨店のコーナーの中では、スキンケアの側面でしかアプローチできていなかったという反省もあり、直営店では情報発信機能を持ったカウンターを有効活用することで、美容と心身の健康を同時に考える「ホリスティックビューティ」というブランドの特長をしっかり伝えていきたい。 ――今後の出店戦略については。と3300名のKOLを登録したシステムを活用し、中国の有名KOLが出展企業のブースへ行き、各社の製品を紹介する。 企業が商品登録をすると、KOLに対して支払うコミッションや、商品を閲覧しているユーザーのカート情報などを把握できるため、商品に関心を持っているユーザーに対して直接製品を推奨することができ、購入を促しやすいシステムになっているという。 「中国企業に依頼してこのシステムを開発した企業様が、当社のグループ会社『アーツ』に物流面について相談してくださったことがきっかけになっている。しかし、この企業様が異業種だったので、製品登録数を増やすことが難しい状況だった。そこで、中国美容博覧会の日本総代理店である当社と共同でサービスを展開することになった」(上田直之代表取締役社長) 昨年の中国美容博覧会で実際にKOLを3名活用したサービスをある企業に実施したところ、SNS上での映像再生回数の目標1000万回に対し、目標を遥かに上回る4800万回以上が再生された。 また、実際の博覧会におけるKOLの活動を記録した映像番組では、販促効果として1800万回以上の再生回数が確認されている。 「実証実験では、総額約1億1000万円、システムを開発した企業様が国産化粧品で実施した際も60分で約2000万円の売上が確認されている。今回のサービスでも、企業の売上に少しでも貢献したいと考えている」(上田社長) 広告による新規獲得の効率が悪くなっていく昨今、いかに自社が保有している休眠顧客リストを有効に活用していくかが重要になってきています。しかし、やみくもに休眠顧客にDMやメールを送りさえすれば良いわけではありません。そこで、各社がどのような形で休眠顧客の掘り起しを行っているのか事例を紹介いたします。 化粧品通販会社A社は、年4回程休眠顧客に向けてDMを送っていました。実施の度に、レス率が異なり売上予想が立てにくく、施策を続けていくべきか悩んでいました。そこで、DM送付対象者のリストを細かく見ていくと1回商品を購入して休眠になった『新規休眠顧客』の割合が多い時は、費用対効果が合わず、2回以上商品を購入し、且つ未購入期間が1年半~2年以内までの『リピート休眠顧客』の割合が多い時は費用対効果が合うということがわかりました。 そこで、リストの抽出を、購入回数が多い『リピート休眠顧客』は、未購入期間を1年半まで遡り、購入回数が少ない『新規休眠顧客』は、未購入期間を半年までで抽出するようにしました。その結果、実施の度にレス率が異なるというようなことがなくなり、年間を通した施策として定着することができました。 通販会社B社は、休眠顧客を3年まで遡ってDMを送っていましたが、期待していたほどの成果を出せずにいました。そこで、分析していくと、休眠して1年以内の休眠顧客からの反応は大変良く、費用対効果が合うことがわかりました。そこで、休眠して1年以内の休眠顧客に絞って施策を実施することとしました。 休眠施策が定着しない企業では、休眠顧客をリスト分けせずに施策を行っていることをよく見かけます。購入回数や購入金額、未購入期間によって反応が異なっていきますので、はじめは、できるだけ購入回数が多く、未購入期間が短い休眠顧客リストから施策を行っていくと良いでしょう。施策と検証をくり返していく内に、費用対効果が合うか合わないかのラインを見つけていくことができます。 通販会社C社は、定期解約者に対して、まとめ売りの案内(まとめて買うと安く買える)を送っていました。ある時、定期解約者の解約の理由の多くは、商品余りであり、商品や価格に対する不満ではないことを突き止めたC社では、適切なタイミングに定期再開案内をすればまとめ売りのような形で安売りせずとも定期解約者は戻って来てく化粧品通販ビジネス実践講座船生千紗子(ふにゅう・ちさこ)通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。休眠顧客リストの活用事例Vol.68れるのではないかと考え対策を講じました。実際、定期解約後6カ月後に定期再開案内メールを送ってみたところ、一定割合の人が定期を再開してくれたのです。価格を安くしないと戻ってこないのではないかという先入観を一度捨て、解約理由を見直すことの大切さを示唆してくれる事例と言えるでしょう。 通販事業を続けていく限り、休眠顧客リストは増え続けていきます。新規獲得の効率ばかりを追求せずに、自社の休眠顧客リストの有効活用法を探ってみてはいかがでしょうか? 資生堂は、ミレニアル世代に向けた低価格帯のスキンケア&ボディケアブランド「recipist(レシピスト)」のパッケージの厚みを、ECビジネスに特化した30㎜以下の仕様に変更し、3月15日より、資生堂の美容総合サイト「ワタシプラス」をはじめとしたECサイトで、順次発売を開始している。 2017年11月に発売した「レシピスト」は、ミレニアル世代を対象に当面は直営店を含めた既存10店のブラッシュアップを優先 ――リブランディング後の状況はいかがですか。 斉藤 リブランディング後は、20~30代の新客が増えており、購入者ベースでは2倍弱ぐらいの状況で推移している。 刷新前に比べて大きく様変わりしたので、既存客が離れてしまうことも懸念したが、6~7割の方がアウェイクを使い続けてくださっている。 直営店のオープンにより、これまで接点のなかった20 ~30代の女性たちに、より幅広くアプローチしていけることを期待している。 リブランディングに際しては、より多くの女性たちに継続して使ってもらいたいとの想いから、以前のアウェイクと比較し同等もしくはそれ以上の品質を維持しつつ、中心価格帯を1万円から5000円に引き下げた。 その影響で売上は計画をやや下回る形で推移し 中国美容博覧会CBE(Chinese Beauty Expo)の日本総代理店を務めるキレイコムは、5月20日から3日間にわたって開催される中国美容博覧会のオフィシャルサービスとして、ライブコマースサービスを50 社限定で実施する。 同サービスでは、商品上 田 社 長中国美容博覧会でライブコマースを支援キレイコム 斉藤 まずは東急プラザ表参道原宿の直営コンセプトショップで、今までやりたいと考えていたことを実行に移していく。 正直、直営店で展開していくのか、従来通り百貨店で展開していくのかはまだ決まっておらず、この店舗の状況をみながら検討していく。当面(1年間)は今回の直営店も含めた10店のブラッシュアップを優先させる。「レシピスト」をECビジネスに特化した仕様へ進化資生堂る花々で飾ったフォトブースを設置。生花や土の香りを楽しみながら自然を感じられる空間となっている。コーセーアウェイク初の直営店開設で内覧会を開催 コーセーは3月20日、自然派スキンケアブランド「Awake(アウェイク)」初となる直営コンセプトショップ(店舗面積=24・8㎡)を東急プラザ表参道原宿にオープンするのに先駆け、プレス向け内覧会を開催した。当日は多くのメディアが詰め掛け、ブランドが提案する1人ひとりの肌状態に合った「パーソナルレシピ」を体験したほか、その場で情報発信ができるブランド初導入となるスタジオ機能付帯の店頭を見学した。