ブックタイトル週刊粧業2019年4月8日号

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概要

週刊粧業2019年4月8日号

週  刊  粧  業(第3種郵便物認可)ながら、「ドラッグストアの中心層である40~50代女性にもアプローチし、幅広い世代に支持される店舗を目指していく」(上村部長)という。 ナルシス1号店としてオープンした「ダイバーシティ東京プラザ店」は、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)・台場駅にある業施設「ダイバーシティ東京プラザ」の3階に位置する。同3階は台場駅南口から高架橋で直結しており、台場駅からゲートを入って通路右側2番目の好立地に出店した。 売場面積は37坪で18ブランドを取り扱う。導入部は、壁面に沿って右手前から「ディオール」「トム フォード」「クリニーク」「エスティ ローダー」、左に「イヴ・サンローラン」「シュウ ウエムラ」「ランコム」などの外資系ブランドを展開。中央から奥部に向かって「SHISEIDO」「ローラ メルシエ」「アディクション」「est」などの国内系ブランドを配置した。中央部は統一感のある什器を用いてブランド別に展開した。 施設には20~30代の若い世代が多く来店することから、ブランド数を標準よりも多く導入し、メークアップアイテムの品揃えを充実させた。上村部長は、最奥部のレジカウンター脇に設置したタッチアップカウンターを引き合いに、「カウンセリングも重視していく。肌診断機など美容機器を設置せずにスタートするが、運営していく中で需要が確認されれば導入していく」と語った。 また、施設来館者は外国人客が4割を占めており、客層も「近しい構成比になるだろう」と予想している。なってきている。このように高級ブランドと低価格品の使い分けが進む中で、低・中価格帯化粧品を扱うドラッグストアを核とする企業にも、参入するタイミングがきたという感覚があった」 ナルシスを開発したラグジュアリー事業推進部の上村匡弘部長は、「地方都市では百貨店やデパートが苦戦しており、ラグジュアリーブランドの多くは新しい業態へと進出し始めている」と現状を述べ、「新たな買い場として有力先となっているセミセルフ業態を意識した」と話す。 ダイバーシティ東京プラザに続き、3月20日に「ららぽーと柏の葉」、同28日に「ららぽーと新三郷」、4月5日に「ららぽーと立川立飛」にナルシスを出店した。 4店を連続的にオープンしたことについて、池野会長は、「新業態の認知拡大や、スタッフ教育の効率性を考えると複数店舗をまとめて開設したかった。だが、性急に客数や売上を追求する業態ではない。カウンセリングも行う化粧品専門業態として1店ずつ丁寧にオリジナリティを追求していきたい」と語り、社内公募で選抜したスタッフに、先行するセミセルフ業態店との差異化を見出していく考えを示した。 「販売スタッフのほとんどがドラッグストア出身の方であり、デパートで働く美容部員の方々が知らないような、低・中価格帯化粧品に関する商品情報や知識も豊富に持っている。高級品と低価格品の使い分けが進む時代に、価格帯やチャネルの垣根を越えたアドバイスや提案に『ウエルシアらしさ』が出てくると思っている。また、ナルシスでのカウンセリング技術や教育体系などを社内のノウハウとして蓄積していきたい」 まずは関東でフォーマットを確立し、「地方都市部に広げていく」考えで、5店舗目は10月に開業する「ららぽーと沼津」(静岡・沼津市)にオープンする。 沼津市は2013年に西武百貨店が閉店しており、「沼津・三島エリアの生活者は、いわゆる『デパコス』の買い場がなくなっていた」と上村部長は語る。 「店舗運営はこれからだが、大都市以外の百貨店業態で厳しい状況が続く中、ウエルシア薬局としてラグジュアリーコスメを提供する新フォーマットを築けたことに大きな意義があると思っている。今後も百貨店やデパートが撤退した地方都市などホワイトスペースを見つけて開拓していきたい」(上村部長)う業態を開発・進展させる意義について説明した。 「一世代前であれば、高級化粧品は富裕層が使うものというイメージが強かったが、多くの若い女性がハイブランドのバッグや財布をファッションに取り入れてきたように、化粧品も口紅などメークアイテムを中心に単品で高級ブランドを好んで使うように ラグジュアリー事業推進部が新設されたのは昨秋だが、「それ以前からも水面下で動いていた。秋以降は専任として出店に向け準備を進めてきた」という。 スタッフは、社内のビューティアドバイザーを中心に1店舗あたり10~12名を配置する。全国から社内公募で選抜し、オープンに先立ち、取扱ブランドのトレーニングを受けている。 また、ナルシスの周辺にはドラッグストアの既存店も点在していることに触れ、「Tカード」を使用できることも紹介し(5) 2019年(平成31年)4月8日第3155号くカバーできるフォーマットが揃った。特に18年12月のMASAYAのM&Aから今回の新業態ナルシス展開までわずか約4カ月で、国内外の高級ブランドコスメを幅広く取り扱えるフォーマットを整備したことになる。 ウエルシアHDの池野隆光会長は、「17年国内化粧品マーケットは前年比3・3%増の約2兆5000億円だったが、そのうち高価格帯は5・0%増(7500億円)で市場全体よりも伸長している」と高価格帯カテゴリーが有望市場であることに触れ、ドラッグストアを中核とする企業がそのカテゴリーを取り扱 ウエルシア薬局は、ヘルス&ビューティケア領域の専門総合店舗の実現を目指し、新たなフォーマットづくりに取り組んでいる。中でも化粧品は、医薬品とともに専門性・カウンセリング強化カテゴリーで、20~30代女性をコアターゲットにラグジュアリーコスメの専門業態として「ナルシス」を開発した。ナルシスの由来は、ギリシャ神話で水面に映った自身を愛した美少年のナルキッソスからきており、キレイを提案する店舗という意味合いを込めている。 売場面積は40坪を標準に設定し、セルフで選べ、気になるアイテムについては商品説明からカウンセリング、タッチアップにもや来店率向上を図るという。SNSのインスタグラムを活用して新商品やイベントなどの情報を週2回の割合で提供するほか、年2回、情報誌も発刊する。 ウエルシアHDとしては、一般セルフ化粧品を扱うドラッグストア、バラエティ系コスメを取り揃えるビビオン(B.B.ON)、国内カウンセリングブランドを主体とする化粧品専門店のMASAYA、そこに海外ブランドを中心に構成するナルシスが加わり、価格帯の括りでも化粧品を幅広対応するセミセルフ業態に位置づける。 これまでドラッグストアが取り扱いのなかった百貨店ブランドを中心に25ブランドと契約した。「ディオール」「イヴ・サンローラン」「ランコム」「クラランス」など海外ブランドが7割強を占める。核となるブランドを共通化しつつ、店舗毎に入店する商業施設や近隣の化粧品取扱店を考慮しながら15ブランド前後を導入して独自にMDを構築する。 情報発信も店舗毎に取り組み、店舗の認知拡大ラグジュアリーブランドを揃えた新業態、地方都市活性化にも意欲ナルシス ダイバーシティ東京プラザ ウエルシアホールディングスの中核事業であるウエルシア薬局は、化粧品新業態としてラグジュアリーコスメのセレクトショップ「NARCIS(ナルシス)」を立ち上げ、3月16日にオープンした第1号店「ダイバーシティ東京プラザ店」(東京・江東区)を皮切りに4月5日までに関東で4店を開業した。百貨店を中心に流通チャネルを限定している国内外のブランドコスメを自由に選べ、タッチアップやカウンセリングに対応するセミセルフ業態に位置づけて運営する。10月に開業予定の「ららぽーと沼津」への出店も決定しており、百貨店業態が苦戦する地方都市の開拓にも意欲を示す。ブランドコスメの買い場を創出ドラッグ店と連携し客層広げる~美と健康の現場から小 売 ナ ビメークアイテムを主体に構成タッチアップカウンターも活用メーク主体の売場で来店促進カウンセリングも重視し運営複数フォーマットでプチプラからハイブランドまで広域をカバー上村部長池野会長国内外のブランドコスメを品揃え