1%。
2008年に通販化粧品市場に参入した天真堂が展開する化粧品の返品率の数字だ。
同社では、通販ではよく見られる「○日間お試しセット」は販売していない。その代わり「30日間無償返品制度」を設けている。
「実質的には現品の無料お試しセットと同じこと。駄目だと思ったら返品できる気楽さが、結果的に顧客獲得に繋がっている」
紫根エキスを配合したオールインワンの美容ジェル「エニシングホワイト」(部外品)を主力商品に、30代女性をメインターゲットに捉えた化粧品を、通販やバラエティショップなどの小売店で販売している。今年6月、発売から3年で累計15万個を売上げ、クチコミでも常に上位にランクインする人気商品に成長した。
通販の売上げのうち、4割はリピーターと、固定客の獲得にも成功しているが、そのノウハウを聞くと、児玉社長はニヤリ。どうやら、ここが同社の通販化粧品を支えるキーポイントらしい。
「通販ながら、その後の追っかけ営業はしない。今の時代、強い営業はお客様には通用しない。いかにお客様が共感できるコミュニケーションをとるかに重きを置き、SNSを活用している」
通販が好調な同社だが、本業は部外品に特化した化粧品OEMメーカーだ。あらかじめ50アイテムほどバルクを持ち、月に2種ずつほど増やしている。そのため、依頼主はその中から欲しいバルクを選んでPB化することができる。通販で培った販売ノウハウを、OEM先にも提供して売れる仕組みづくりをサポートしている。
通販業では今後、上海を皮切りにアジア圏に進出する。商品は11月にブースターローションを、12月には100%天然成分のクレンジングのほか、UVカット系のBBクリームファンデーションを発売する。
季節外れですねと言えば、児玉社長は「ななめをいくことが好き」とニヤリ。何か戦略があるのだろう。
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この記事は週刊粧業 掲載
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