2011年身体用洗浄料(ボディソープ・ボディシャンプー)の市場規模は、昨年(2010年)とほぼ変わらず約500億円で推移し、価格競争による単価ダウンの傾向もやや落ち着いた。ただし、世帯数の減少傾向は変わらないため、今年(2012年)は夏期の天候が近年並みの猛暑と仮定した場合でも、前年並みか微減で推移することが予想される。
こうした中、若い女性をターゲットにしたパーソナル製品が香りの品揃えを充実させたことで、前年比106%と伸長。市場構成比も11%と上昇し、マーケットサイズは55億円まで拡大している。女性に限らず、男性向けのパーソナル製品も増加傾向にあるといわれており、今後の動向に注目が集まる。一方の固形石けん市場は、前年比98%の約160億円で身体用洗浄剤と同様、ほぼ横ばいとなっている。
市場のニーズは「美肌づくり」が拡大
トレンド踏まえた付加価値品に注目
身体用洗浄剤の市場シェアは、花王「ビオレu」、ユニリーバ・ジャパン「ダヴ」、KHP「ナイーブ」の有力3ブランドが市場の約5割を堅持し、固形石けん市場については牛乳石鹸と花王の国内メーカーと外資メーカーが上位を占める勢力図に大きな変化はなかった。
また、使用率の内訳では身体用洗浄剤が7割、固形石けんが3割と、こちらもほぼ横ばいで推移している。
商品に求められる付加価値については、「肌へのやさしさ」「仕上がり感」「香り」のニーズが依然として高い。
今回取材したメーカーの製品動向をみると、こうした市場ニーズに加え、バスタイムのひとときを家族で楽しむファミリーユース製品に焦点をあてるメーカーや、伸長しているパーソナル製品に重点を置くメーカーの取り組みが印象的だった。
パーソナル化が進んでいる市場で代表的なヘアケアでは、「スカルプ」「ノンシリコン」など高付加価値をうたった製品やブランドが相次いで投入されている。それに比べ、ボディソープ市場におけるパーソナル化は進んでいないとする意見は少なくない。
一方で、若い女性を中心に身体洗いに対する意識の変化が起こっているのも事実。これまで身体を洗うことは単に汚れ落としが一般的だったが、近年は美容雑誌などの影響から、身体を洗うことが「美肌をつくる美容行動」にまで変化してきている。こうしたことから、「身体に負担をかけない」「マッサージを兼ねて洗う」といったニーズが派生し、泡タイプによるボディの手洗いが伸長しているという。
また、「香り」ニーズの高まりを受け、メーカー各社は香りの提案を強化している。さらに、最近では、バスタイムで香りを楽しむことに加え、「乾燥ケア」を行うことも一つのトレンドとして注目されつつある。
これは、自身が乾燥敏感肌と感じる女性が増えてきていることが要因であり、今後はこうしたトレンドに応え得る、価値ある商品の投入が市場活性化につながるものと予想される。
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この記事は週刊粧業 掲載
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