富士経済の調査によると、2012年のスキンケア市場は、美容液やモイスチャーなどスペシャルケアに対する需要が拡大し、長らく低迷していた百貨店ブランドにも需要回帰の傾向がみられたことから、前年比1.1%増の1兆103億円に拡大した。
ヘアケア・ヘアメイク市場は、シャンプー・トリートメントで単価の高いノンシリコン製品への関心が高まり、単価アップにつながっているため、前年比微増の5238億円となっている。これら2つの市場の動きについて、富士経済の山住知之東京マーケティング本部第二事業部課長とソフィアリンクスの三原誠史代表に分析してもらった。
二極化顕著なスキンケア市場、
通販の「単品型」が脱却の鍵
――スキンケア市場の状況についてお聞きします。
三原 富士経済の調査レポートをみると、低価格帯と高価格帯で2極化する一方、中価格帯で微減が続き、苦戦している。
山住 スキンケアでは3000~4000円台、メークアップでは2000~4000円台のブランドが中価格帯と呼ばれている。機能的な付加価値やコンセプトがセルフ化粧品と重複しており、コストパフォーマンス面で低価格帯に流れてしまっている。
かつては、美容意識のそれほど高くない女性層が中価格帯を選んでいたが、近年、低価格化が進み、低価格帯がボリュームゾーンになっている。興味がないながらも、インターネットでクチコミや第三者の評価をそれなりに調べ、そのうえで化粧水や乳液など買い替え頻度の高い商品は低価格品へと切り替える傾向にある。
こうした消費者行動の変化が、中価格帯の苦戦の背景と考えられる。
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この記事は週刊粧業 掲載
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