ポーラ・オルビスグループのACROは、「NATURAL」「HONEST」「CREATIVE」をコンセプトに、ライフスタイルブランド「THREE」を百貨店を中心に展開している。
2009年に誕生した新しいブランドだが、既成概念に捉われないモノづくりやプロモーションによって市場認知と支持を着実に獲得し、女性誌コスメアワードにも名を連ねるなど注目の高いブランドに成長しつつある。
多くのブランドがひしめきあう百貨店における成功への道筋について、石橋寧(やすし)社長とソフィアリンクスの三原誠史氏が対談を行った。今回は、「ブランドの中心テーマ」について紹介する。
――「THREE」は独自のポジショニングをねらったブランドと聞きました。
石橋 当社のグループを見た時、ポーラは訪問販売、オルビスは通信販売、フューチャーラボはTV通販というようにマルチにブランド展開している。その中で「THREE」は百貨店が中心販路だ。
しかし百貨店は限られた売り場の中で外資系を含めて40ものブランドがひしめき合っている。競争が激しい販路でニューフェースとしてデビューするということは、強い独自性をともなった存在感がなければ埋没してしまう。そのため、差別化が特に重要だ。
当社のブランドは100%自然由来ではなく、それを最良とも考えていない。天然由来率は99%が最高値で、自然の力と科学の力、互いの良い点を最大限に活かし、化粧品としての機能を十分に発揮することが重要と考えている。都会的で洗練されたスタイリッシュさが失われぬよう、内容物だけでなく、外箱や容器などの細部にも強いこだわりを持ち、ブランディングを行ってきた。
百貨店ではメークかスキンケアのどちらか一方が強いブランドが多いが、私はつくった以上、お客様には全部使っていただきたいと考えている。だからこそ、メークとスキンケアの両製品の存在感を高める必要があった。
「THREE」とは数字の「3」のことで、「3」は数秘術において、あるものとあるものの良いところを掛け合わせて、全く新しいものを生み出すという意味があるといわれる。自然と科学の両極の良い点と、ナチュラルなスキンケアとモードでエッジイなメークアップを組み合わせ新しい価値を創造する。それが「THREE」の目指すテーマだ。
――「オーガニックコスメ」とは一線を画す、新たな価値を提供するブランドということですね。
石橋 オーガニックコスメが人気だが、女性は綺麗になりたいから化粧をするのであって、オーガニックだから買うというわけではない。
綺麗になりたいという本質的なニーズのもとに、なるべく肌に負担の少ない化粧品を使いたいというニーズと、使うことで生活の質が向上するような洗練された化粧品が欲しいというニーズがある。
「THREE」は、そのニーズに応えていくことはもちろん、柔軟な発想でこれまでにない新たな提案を、お客様のライフスタイル全体に対して行うブランドを目指す。そうすることで、さらに差別性を高め、ブランド成功の道筋を切り開いていけると考えている。
この記事は週刊粧業 2014年6月2日号 2ページ 掲載
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