日本の総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合が、25%を超え、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によると、20年後には3人に1人が高齢者になると見込まれている。
化粧人口という観点から女性にフォーカスすると、東京五輪が開催される2020年には、全女性人口に占める50歳以上女性の構成比が50%を超えると言われており、化粧品メーカー各社も、ボリューム市場であるシニア女性に向けたマーケティングに取り組み始めている。
今年1月には、業界最大手の資生堂が、シニア女性をターゲットに総合コスメブランド「プリオール」を発売したことで、今後、追随するメーカーが増えることが予想される。
そうした市場の様相は、創業からシニア顧客の基盤を築くちふれ化粧品の「大手や中堅、異業種などが相次いで参入し、昔に比べると競争は激しい」とのコメントが端的に示している。(記事全文はこちら)
メークアップの動向に注目
「将来シニア」層への意識も
既にシニア女性向け化粧品を市場に展開するメーカー・ブランドのプロモーションを一望すれば、シニア世代をターゲットに据えながらも、一世代下の「50代」を含めたマーケティングを進めていることが明白だ。
資生堂の調べによると、13年4月~14年3月の化粧品市場で、50歳以上の市場規模は約1兆6500億円となり、金額構成比では前年と比べ7.4Pアップし、46.7%となった。過半数を占める日はそう遠くなさそうだ。同社は、昨年4月の消費増税前の駆け込み需要では、60代が牽引し、増税後の回復も他世代に比べ、60代が最も早かったと捉えており、それらのデータから「シニア世代は、既に消費の主役へと踊り出ている」との見解を示す。
シニア世代は、他の世代に比べ、経済的にも余裕があることから、多少値段が張っても、商品の価値を感じ、使って気に入れば、購入意向、継続使用意向は高い。先のちふれ化粧品は、競争の激しさを認識したうえで、「全体としてシニア世代の支持は少しも離れていない」といい、彼女たちを「不動のユーザー」と表現している。シニアがボリューム市場になることで、長らく続いた低価格競争から脱却できる可能性も見えてきた。
一方で、各社が50代マーケティングを強化している要因を人口動態の観点から広く捉えれば、すぐ下の40代の団塊ジュニア層を無視できない存在と位置づけていることがわかってくる。
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この記事は週刊粧業 2015年2月9日号 1ページ 掲載
■特集/シニア世代マーケティング ◎資生堂~シニア女性のビューティスタンダードの確立に向け、まずは店頭誘引策を強化 ◎花王~50代以降のメーク悩みを突き止め、使いやすさ訴求し道具にもこだわり その他掲載企業/オルラーヌジャポン、メディキューブ、ファンケル化粧品、ちふれ化粧品、ハイサイド・コーポレーション、ケイ・エス・オー、スタークス、フロム・ナウ、ルーツ・オブ・コミュニケーション ■チベン製...
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