アンズコーポレーション、奈良工場の竣工でOEM事業を強化

粧業日報 2015年9月11日号 1ページ

カンタンに言うと

アンズコーポレーション、奈良工場の竣工でOEM事業を強化

「効率」「柔軟性」を重視し業務拡大へ、
倉庫・物流機能も付与



 リップスティックなどのスティック製剤や粘性の高い製剤を充填する生産設備が整い、「人の手がかかる高付加価値商品の製造が中心になっている」という富田林工場に対し、奈良工場は「効率」と「柔軟性」を重視し、1万ロットからの中量生産型の工場を設計した。

 4階建ての工場には、乳化釜2tと溶解釜3tを導入し、生産ラインは液体充填、パウチ充填、チューブ充填の3ライン、包装は化粧箱包装、縦型シュリンク、ピロー状シュリンク、無包装の4ラインを設けた。生産ラインと包装ラインの間に設けた「分配装置」によりスムーズな流れ作業を実現する。

 また、これまで外部倉庫を3棟借りていたが、出荷業務の効率化・簡素化を目的に奈良工場内1階に倉庫・物流機能を集約。調液自動倉庫として使用する4階の1角には、山田社長が「最近は『商品の設計・開発、販促提案まで一貫して提案して欲しい』という要望が増えており、処方開発からゼロベースで進める案件が増えてきている」ことから、顧客と一緒に商品開発を進めるプレゼンルームを設けた。

 自動化を推進したことで、生産、品質補償、品質管理の3部門で社員23名、パートを含めた全41名体制でスタートする。
 約200名が在籍する富田林工場に比べて省人化を実現しているが、山田社長は「自動化が進んでも、最終的には人の手が必要になる。人の手をかけて品質を作り込む作業は、当社の強みとして奈良工場でも追求する。自動化しても富田林工場と同等の品質水準を保てる工場にしていきたい」と語った。工場内には同等の生産ラインを設けられるスペースがあり、第2期工事を視野に業務拡大を目指す。

 新工場の稼働にともない、OEM事業の比重がさらに大きくなる見通しだが、山田社長は「顧客によって捉え方は様々だが、当社としては『化粧品製造販売会社』という認識を強く持ち続けていく」と話し、メディカルスキンケア「アトレージュ」ブランドの店頭販売事業、化粧品・健康食品を軸にした組織販売事業といったメーカー機能の事業も「成長に欠かせない事業だ」と強調。製造部門の業容を拡大しつつ、「自社の販売ルートを20年先まで拡大できるように、これからビジネスモデルの再構築にも取り組む」という。また、東南アジアを中心に展開している国際事業については「ゆくゆくは海外でも現地で暮らす生活者の肌にあった化粧品を展開していきたいが、まずは国内での企業やブランドの評価を高める取り組みを軸に据えたい」と国内3事業の育成に力を注いでいく方針だ。

ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > アンズコーポレーション、奈良工場の竣工でOEM事業を強化

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop