フラーレンの化粧品原料メーカーである、ビタミンC60バイオリサーチ社(VC60社)は、今年6月にパウダー状フラーレン「Veil Fullerene(VF=ヴェールフラーレン)」、8月にはリポソーム化用フラーレン「Moist Fullerene」(MF=モイストフラーレン)」を発売した。
世界初となるフラーレン化粧品原料「Radical Sponge(RS=ラジカルスポンジ)」の発売から今年で10年。
フラーレンの特徴である、持続性のある抗酸化力により、これまで美白や抗シワ、にきび・毛穴の目立ち改善など多くのエビデンスを取得し多くの製品に配合されてきた。
発売以来、フラーレンに起因するトラブルは一切なく、安全性、豊富なエビデンスなどから、多くのファンを獲得してきている。
2009年に油溶性フラーレン「LipoFullerene(LF=リポフラーレン)」を発売して以降、6年ぶりの新製品であり注目が集まっていた。
VFは、フラーレンを粉末での提供を可能にした化粧品原料だ。従来、フラーレンは凝集性が高く分散性が悪いため粉末には適さず、さらにフラーレンそのものが黒色をしており、色についても懸念されていた。
それを白い粉末での提供を可能にした。フラーレン本来の抗酸化力も確認されている。ファンデーションやアイシャドウなどのメークアップ製品への配合に適しており、エイジングケアなどの高付加価値な製品化が期待されている。
多くの化粧品メーカー、製造会社で評価検討が行われており、VF配合製品が発売されるのも間近という。
8月に発売されたMFは、リポソーム化により保湿と角層内への高い浸透性が確認されている。
三次元皮膚モデルを使用した試験においては、フラーレン、リン脂質複合体、MFにて、保湿因子NMFの一部である遊離アミノ酸を測定したところ、MFにおいて、有意に遊離アミノ酸の増加が確認された。(下図)
テープストリップ法試験において、従来のフラーレンでも角層を正常化することは確認されていたが、MFはさらに角層内の水分量も有意に増加されることが確認され、抗酸化効果に加え保湿効果も期待できる。
調整の段階で、フラーレンと他原料を組み合わせることでオリジナルリポソームを作ることが可能という。
既にMF配合化粧品も発売され、その他にも発売予定製品が控えているという。
VC60社では、フラーレン化粧品原料のラインナップも4商品となり、化粧品の剤型や使用シーンなどによって様々な使い方を提案できるようになった。
今後のフラーレンの展開がますます楽しみだ。
・執筆者:ビタミンC60バイオリサーチ
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この記事は週刊粧業 2015年11月2日号 4ページ 掲載
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